ハッピークローバー
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第百七十二話 心地よい朝その六
「それで凄かったのよ」
「お風呂入ってくれないとお近付きになりたくないわね」
「私もよ。ちなみに女好きだったから」
「ああ、王様でも私彼氏いるし」
一華は今度は醒めた目で応えた。
「体臭や口臭もそうだと」
「お断りね」
「ちょっとね」
こう答えた。
「私は」
「私もよ」
フランスの娘も言った。
「王様でもね」
「嫌よね」
「フランスの王様って女好き多いけれどね」
「ああ、多いわね」
一華も確かにと返した。
「聞く限りだと」
「このアンリ四世もそうだし」
「ルイ十四世もね」
「ルイ十五世もでね」
ブルボン王家の歴代の王達だ、尚ルイ十五世はルイ十四世の曾孫でありルイ十四世が長寿であった為にルイ十五世の父も祖父も先に亡くなっていた結果だ。
「あとフランソワ一世も」
「女好きね」
「挙句王様じゃなくても」
それでもというのだ。
「女好きの国家元首多いし」
「大統領でも?」
「愛人問題よく出るのよ」
「そうなのね」
「政治家全体で多くて」
それでというのだ。
「そっちで酷い人もいるから」
「スキャンダルの塊みたいな」
「そんな人もいるのよ」
フランスの政治家にはというのだ。
「結構ね」
「日本で言うと伊藤博文さんみたいな」
「いや、あの人女好きでも」
このことは事実でもというのだ。
「節度あったでしょ」
「毎晩二人とか三人とかだったらしいわよ」
「いや、無名の芸者さんだけでしょ」
相手にしていたのはというのだ。
「有力者の愛人さんや奥さんとは、はないわね」
「噂はあったけれどね」
それも強引にだ、今も言われている話である。
「実際はそんなことしていないらしいわ」
「女好きでもお相手は選んでいたわね」
「揉めない様にね」
「気遣いの出来る人で」
「そう、そうした人でね」
気遣いが出来て剽軽で飾らず明るい人物であった、その為当時から人気は非常に高い人物であった。
「人の彼女さんとかはね」
「手を出さなかったわね」
「だからいつも無名の芸者さん相手だったのよ」
「今で言うと風俗通い専門?」
「そうなるかしら」
一華も否定しなかった。
「言うなら」
「そうよね。フランスは違って」
フランスの娘は言った。
「寵妃って人妻さんだから」
「不倫?」
「ダブル不倫になるわね」
「きついわね」
「公の愛人さんだけれど」
フランスにはこの制度が実在したのだ。
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