ハッピークローバー
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第百七十二話 心地よい朝その五
「納豆もそうで」
「ウォッシュチーズもよ」
「そういうことね」
「私も納豆食べるけれど」
それでもというのだ。
「ウォッシュチーズの方がね」
「好きなのね」
「確かに納豆はご飯に合っていて」
一華の言う通りにというのだ。
「おうどんにもいいわね」
「そうでしょ」
「けれどね」
「そうしたチーズの方が好きなのね」
「これは子供の頃から、日本に来る前から食べているから」
だからだというのだ。
「馴染んでもいるしね」
「そういうことね」
「ええ、けれど一ちゃんは苦手ね」
「その臭さがね」
どうにもとだ、一華は正直に答えた。
「あんまりにもだから」
「ちょっと食べて」
「駄目だったわ、それで食べたあと歯を磨いて」
ついついだ、一華は苦笑いになった。その時のことを思い出してそうした表情になったのだ。それでさらに話していった。
「口臭が凄かったわ」
「磨いて匂いが落ちて」
「その匂いがあんまりだったから」
だからだというのだ。
「わかったわ」
「そうなのね」
「その口臭は」
「もう当然としてね」
そう受け入れてというのだ。
「食べるものよ」
「納豆と同じね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「はっきり言うとね」
「そうなるわね」
「これでね」
フランスの娘は笑ってこうも言った。
「大蒜も食べると」
「余計に臭いわね」
「アンリ四世は大蒜臭かったけれどね」
ブルボン王朝を開いたこの王はというのだ。
「体臭も凄くて」
「ウォッシュチーズも食べていたとか」
「食べていたと思うわ」
実際にというのだ。
「こっちはチーズ普通に食べるし」
「ウォッシュチーズも」
「だからね」
「大蒜の匂いと」
「ウォッシュチーズの匂いでね」
「口臭凄かったのね」
「しかも体臭は玉葱が腐ったみたいで」
このことは歴史書にも書いてあるという。
「足も臭くてお風呂も嫌い」
「尚更凄いわね」
「そんな人だったらしいわ」
「悪臭の塊だったのね」
「そう、こうなるとね」
どうかとだ、フランスの娘は話した。
「凄いわね」
「壮絶ね」
「今そこまで匂う人そうはいないわね」
「お風呂入るしね」
「アンリ四世は元々の体臭が凄くて」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「お風呂嫌いで」
「いつも大蒜とか食べていて」
そしてウォッシュチーズもというのだ。
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