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魔術と科学

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第一章

                魔術と科学
 魔女として知られているマリア=サロメア=ビストロシカは今科学の本を読んでいる、それを見てだった。
 弟子のアンナ=グルベロヴァーは驚いて言った、マリアは三十代前半で高い鼻と青い目を持つ整った顔に見事なブロンドの波だったロングヘアに見事なスタイルの持ち主で今は赤い魔女のローブを着ている。アンナは小柄で胸が大きく童顔で黒髪をロングヘアにしている。可愛らしい緑の目は森の色を見せている。
「師匠、科学の本を読まれてますが」
「読んでるわよ」 
 マリアは平然として答えた。
「この通りね」
「師匠は魔女で」
 アンナはそれでと言った。
「魔術が専門ですが」
「それで科学の本を読んではいけないの」
「相反するものでは」
「それは間違いよ」
 自分にコーヒーを持って来たアンナに告げた、丁度自室で読んでいるところで弟子に一緒に飲む様に言ってからさらに話した。
「魔術を学ぶとね」
「科学もですか」
「学ぶとね」
 そうすると、というのだ。
「いいのよ」
「そうなのですか」
「そうよ、貴女も読めばいいわ」
「科学の本を」
「そうすればね」 
 マリアはさらに話した。
「魔術がさらにわかるわ」
「そうなのですか」
「そして科学と魔法の関係もね」
 これもというのだ。
「わかるわ」
「師匠がそう言われるなら」
 それならとだ、アンナは頷いてだった。
 通っている高校の授業が終わってから師匠の家で魔法の品を売っている店に行く前に二人が暮らしているワルシャワの商店街の本屋でだった。
 科学の入門書を買った、そのうえで時間が出来た時に読むと。
「魔術と通じるところがありますね」
「そうでしょ」 
 マリアは一緒に店番をしつつアンナに笑顔で答えた、丁度今色々買ってくれた客を見送ったところだ。
「元々錬金術はね」
「科学でしたね」
「中国の仙術だってね」
「あちらは錬丹術でしたね」
「そういうのもね」
「科学ですか」
「だからね」
 それでというのだ。 
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