赤裸々チョイス
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第二章
「それで私は嬉しいわ。それにね」
「それに?」
「純政君もじゃない」
彼のことも言うのだった。
「チョコファッション私が好きなの知っててでしょ」
「それはね」
一呼吸置いてだ、純政は音色に答えた。
「言われるとね」
「そうでしょ」
「エンゼルショコラもね」
「同じよね。私もミルクティー好きで」
「それで注文したよ」
「お互い好きなものを注文し合ったわね」
「選んでね」
そうしてとだ、純政も言った。
「そうしたね」
「そうよね、それでお互い嬉しいわよね」
「うん」
純政は今の気持ちを否定しなかった。
「とてもね」
「私もよ。相手が喜んでくれると思って」
そう考えてというのだ。
「選んでね」
「それでよかったら」
「もうそれでね」
「いいんだね」
「そうでしょ。あからさまだとも思うけれど」
そうした注文だがというのだ。
「純政君が喜んでくれるなら」
「それならだね」
「いいと思ったから、そしてそれは」
「僕もだね」
純政は自分から言った。
「そうなるね」
「そうよね」
「お互いだね」
「相手が喜んでくれる様にね」
「敢えてね」
「相手が好きなもの選んだわね」
「そうだね、それじゃあ」
笑顔でだ、純政は音色に言った。
「今からドーナツ食べようね」
「お互いが選んだね」
「大好きなそれを」
「一緒に食べましょう」
「そうしよう」
笑顔で話してだった。
二人はそのうえでドーナツを食べた、そのドーナツは二人にとってはこのうえなく美味く口にするとこれまで食べたものの中で最も甘かった。そしてその甘さが最高のデートにしたのだった。
それでだ、二人はデートの度に話した。
「あそこ行こう」
「それでドーナツ食べましょう」
笑顔で話してドーナツを楽しんだ、お互いの好きなものを注文し合って。
赤裸々チョイス 完
2025・1・11
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