赤裸々チョイス

　　　　　　　　　　　　　　　　赤裸々チョイス
　早坂音色は長い黒髪をツインテールにしている。小さな頭と大きな切れ長の黒目がちの目に赤い小さな唇を持っている。背は一五〇位で奇麗な脚が目立つ。如何にも少女といったフリルのある赤いスカートと水色のブラウスを着た女子高生だ。
　今彼女は交際相手の好美純政と共にいる、純政は大きな丸い目とすっきりした顎に黒いショートヘアを持つ優しい顔立ちで一七四位の背の痩せた少年で音色のクラスメイトでもある。赤いシャツと青いズボンを身に着けている。
　その純政にだ、音色は共に街を歩きながら尋ねた。
「実は今私バイト代が入ったばかりで」
「お金あるんだ、俺もだよ」
「二人共なのね」
「だから今日はちょっと贅沢しよう」
　音色に笑って話した。
「食べるものもコンビニで買ってとかじゃなくて」
「お店に入って」
「何か食べよう、何がいいかな」
「ドーナツにしよう」
　音色は純政に笑顔で答えた。
「それならね」
「ドーナツなんだ」
「ええ、純政君好きよね」
「好きだけれど音色ちゃんはそれでいいのかな」
「いいの」　
　音色はにこりと笑って答えた。
「それでね」
「いいんだ」
「そう、一緒にお店に入ってね」
「ドーナツ食べようか」
「そうしよう、お金私も出すから」
「いいよ、僕が出すから」
「いいの、私もお金持ってるし」　
　だからだとだ、音色は純政に言葉を返した。
「お金は二人一緒」
「ワリカンなんだ」
「それでいきましょう」
「悪いね、何か」
「悪くないから」　
　純政ににこりと笑って返した、そうしてだった。
　二人で街の繁華街のドーナツのチェーン店に入った、そしてそこで二人でドーナツを注文したが音色の注文したものは。
「あれっ、オールドファッションもショコラフレンチも」
「純政君好きよね」
「うん、ドーナツは好きでね」
　音色と向かい合って座った席でお互いが注文したドーナツを見つつ話した。
「それで特にね」
「この二つが好きよね」
「そうだよ、それで飲みものはね」
「紅茶、それもミルクティーよね」
「それが好きでそっちもだね」
「注文したわ」
「そうだね、何か僕の好きなもの注文してばかりで」
　純政は恐縮した様に述べた。
「悪いね」
「悪くないわよ、だって好きなものを食べて喜んでくれるから」
　音色はここでも笑顔だった、可愛い優しい笑顔で言うのだった。