下手な哲学書
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第五章
「実は中身がない」
「そうなの」
「そうしたものだってね」
その様にというのだ。
「言われたのよ」
「それあるわね。ラノベでもね」
どうかとだ、聡子は話した。
「ほら、やたら熟語羅列して難しい様な言葉延々と登場人物に言わせる」
「そんなやり方あるわね」
「一見凄いって思わね」
「いきなり出て何これって思うわ」
美利は読んだその時受けた感覚を話した。
「本当にね」
「それで凄いって思うわね」
「読んでね」
「難しい言葉がずっとあって」
延々と続くその台詞にだ。
「読み解いたら自分凄いとかね」
「思うわね」
「それで書いたこの作家さん凄いってね」
その様にもというのだ。
「思うわ」
「そうよね」
「けれどね」
美利はすぐに顔を顰めさせて話した。
「その実はね」
「中身ないわよね」
「これがね、見事な位ね」
「難しい言葉羅列して無駄に長い文章で」
「よく読んだら」
これがというのだ。
「もう全くね」
「中見ないわね」
「一見凄いって思うだけで」
その実はというのだ。
「中身はスカスカどころか何もない」
「そんな風よね」
「ラノベでもあるわね」
「哲学でも同じでしょ」
聡子は話した。
「人が言って書くから」
「ラノベと同じで」
「神様が言ってるんじゃないのよ」
「それじゃあ」
「そう、もうね」
それこそというのだ。
「出来不出来はあるわよ」
「そういうものね」
「だからね」
美利にさらに話した。
「わからないうえに中身がない」
「そんな駄目な哲学書もあるのね」
「哲学者もね」
「有名な大学の教授さんでも」
「やっぱり人だから」
そうであるからだというのだ。
「駄目な人もいるのよ」
「駄目な大学教授、哲学者ね」
「そうよ、何を書いてるかわからなくて」
「何を言ってるか」
「そこまで文章が下手で」
そうであってというのだ。
「説明する力もなくてね」
「大学教授って先生だから」
美利はそれでと話した。
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