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夢幻水滸伝

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第三百九十三話 パンパを目指しその十四

「そうしていてね」
「動けないですね」
「そこを衝く形にもなるわ」
「今回のご主人様の行動は」
「二人の進撃を助けると共にね」
「リョサ様の隙を衝き」
「敵の前線を崩すのよ」
 そうするというのだ。
「ここはね」
「そうするのですね」
「確かにウルグアイの西部も守りを固めているわ」
 そうだというのだ。
「こっちの動きを考えてね」
「そうもしていますね」
「リョサちゃんも馬鹿やかいからね」
 だからだというのだ。
「そうしているわ」
「左様ですね」
「そやけどね」
 それでもというのだ。
「それにも限度があるわ」
「戦力には限りがある」
「それで今はね」
 リョサはというのだ。
「二人に主力を向けているわ」
「アマード様とマルタ様に」
「二人の三十万の軍にね」
「それで西部の守りは弱いですね」
「そうなっているわ、それは仕方ないのよ」
「戦力には限りがあるのね」
「ないならないなりにね」
 その条件でというのだ。
「戦うしかないのよ」
「戦は」
「それはあの子達もでね」
 アレンカールは今は敵の視線に立って考えていた、そうして相手がどういった状況かも考えて戦略を練っているのだ。
「兵が少ない、そして守らへんと駄目」
「その状況でどうするか」
「何処をどれだけの兵で守るか」
「そのことを考えて」
「どうしても守りを弱めないとあかんところがあって」
 それでというのだ。
「それはこの場合ね」
「ウルグアイ西部ですね」
「アルゼンチンとの国境よ」
「そちらですね」
「今三十万の兵で攻められているから」
 ブラジルからというのだ。
「そこにね」
「兵を集中的に置く」
「そうしてるのよ、そして西部はね」
「この状況でもですね」
「多くの兵は割けへんのよ」
「リョサ様にとって困ったことに」
「そう、そしてそこをね」
 まさにというのだ。
「衝くのよ」
「そうしますか」
「それも敵が守りを固める前に」
 兵を多く割けないがそれなりにというのだ。
「そうするのよ」
「そうですか、では」
「ええ、騎兵に飛兵でね」
「攻めますね」
「そうするわ」
 こう言ってだった。
 アレンカールは三万の機動力に優れた兵でウルグアイ西部を目指した、そのうえでそちらを攻めるのだった。


第三百九十三話   完


                 2025・3・8 
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