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ハッピークローバー

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第百七十一話 家に帰ってその十二

「あそこはね」
「お料理は駄目ね」
「土地も痩せていて」
「お水もよくないし」
「どうしてもね」
「食べものは美味しくないわね」
「だからイギリス料理を作っても」
 それでもというのだ。
「美味しくないのよね」
「あれよね」 
 一華はまさにと返した。
「日本の食材で作ったら」
「イギリス料理も美味しいのよね」
「調味料もちゃんと使ってね」
「そうしたらね」
「フィッシュアンドチップスも」 
 イギリスで最も有名なこの料理もというのだ、この料理もイギリスで食べると今評判が悪いという。
「ちゃんと作ったらね」
「美味しいのよね」
「うちの学園の食堂でもあるけれど」
 そのフィッシュアンドチップスはというのだ。
「美味しいわよね」
「普通にね」
 理虹も言った。
「結構以上にね」
「それでイギリスの子が食べて」
 本場のだ。
「イギリスのより美味しいってね」
「言うのよね」
「これがね」
 実際にというのだ。
「だからイギリス料理はね」
「調理の仕方と食材ね」
「ええ、見たらね」
 炒飯を食べつつ嫌そうに話した、刻んだベーコンに葱が入っていてこちらの味もあって実に美味い。
「鰊とかザリガニのパイとか」
「下ごしらえしてないのよね」
「鰻のゼリーとかもね」
「ちゃんとしていないわね」
「これはね」 
 眉を顰めさせて話した。
「問題外だから」
「ちゃんと下ごしらえしないとね」
「それにね」
 それに加えてというのだ。
「ちゃんと火を通して味付けもね」
「しないとね」
「鰊をそのままパイに包んで焼いたりザリガニを乗せたりして」
 パイの生地の上にというのだ。
「焼いてもね」
「美味しい筈がないわね」
「そこをね」
「ちゃんとお料理したらね」
「美味しい筈なのよね」
「だからサンドイッチもよね」 
 理虹は今度は卵サンドを食べて話した。 
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