暴力男は最低
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第二章
「そんなことを言って」
「別れないのね」
「そうなのよ」
「それだと」
まさにというのだった。
「やがてね」
「大変なことになるかも知れないわね」
「そうならないといいけれど」
心からだ、時枝は言った。
そうしてだ、二人はその佐紀の友人のことを気にかけていたが幸いにしてだった。
「その彼氏捕まったわよ」
「そうなの」
「ええ、お酒飲んでね」
佐紀は時枝に真剣な顔で話した。
「車に乗ってガードレールにぶつけて」
「飲酒運転で捕まったのね」
「しかもその時お巡りさんを殴って」
「余計に悪いわね」
「公務執行妨害もあってね」
それでというのだ。
「完全にね」
「アウトになったのね」
「刑務所に入ること決定ね」
「そうなったわ、それであの娘も遂にね」
「目が覚めたの」
「そうなったわ」
そうだというのだ。
「遂にね」
「それは何よりね」
「もう別れて警察にお話して」
そしてというのだ。
「DVの被害届も出して」
「前科がさらについたのね」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「接近禁止もよ」
「付いたのね」
「そうなったわ、だからね」
「もうこれで終わりね」
「ええ、ただね」
居酒屋で一緒にビールを飲んでホッケやソーセージを食べつつだった、佐紀は時枝に対して話した。
「あのままだったらね」
「彼氏が捕まらなかったら」
「あの娘目が覚めなくて」
「最悪殺されてたかも知れないわね」
「本当に全身痣だらけになっていて」
暴力を受けていてというのだ。
「酷かったからね」
「それじゃあね」
「よかったわ、本当にあんな奴の何処がよかったのか」
「わからないわね」
「ええ、けれどね」
それでもというのだ。
「世の中そんなどうにもならない奴がいる」
「そんな奴を好きになったらいけないわね」
「絶対にね、暴力を振るう奴は最低よ」
「本当にそうね」
そうした話をした、そして二人は交際相手は選ぶ様にした。間違っても暴力を振るう様な男とは一緒にならずその分分別のある伴侶を得ることが出来たのだった。
暴力男は最低 完
2025・5・25
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