夢幻水滸伝
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第三百九十三話 パンパを目指しその三
「それは最低の言葉よ」
「全くですね」
アマードはその通りだと答えた。
「努力を否定する言葉です」
「偉そうにそれを言う奴こそよ」
「駄目ですね」
「最初は駄目でもね」
「努力するとですね」
「凄くなるわ、スライムもね」
その最弱のモンスターでもというのだ。
「育てる、努力するとね」
「強くなります」
「そやから獣やモンスターもよ」
軍に加えた彼等もというのだ。
「育てているのよ」
「どの勢力もそうしていますね」
「当然あたい達もね、誰でも平気で切り捨てる奴なんて」
駄目だと断定してというのだ。
「そんな奴こそよ」
「駄目であり」
「いらないのよ、努力は否定しない」
「天才も努力で天才となりますね」
「レオナルド=ダ=ヴィンチさんは一日一時間しか寝ないで」
一日四回十五分ずつ椅子に座ってうとうとするだけだったという、どうも極端なショートスリーパーだったらしい。
「起きている間ずっとね」
「何かしていましたね」
「それで万能の天才と呼ばれたのよ」
「そうでしたね」
「手塚治虫さんだってね」
戦後日本の漫画界の先駆者となったこの人もというのだ。
「徹夜がしょっちゅう、寝ても四時間位」
「描いて描いて」
「そんな人生だったからね」
「あそこまで出来ましたね」
「そうよ、誰でも必死に努力すればね」
そうすればというのだ。
「必ずね」
「成長します」
「そやからね」
それ故にというのだ。
「獣やモンスターも育ててね」
「戦力にせんとして」
「実際にしているわ、この世界では軍人が四十万いれば」
それだけの規模がというのだ。
「獣やモンスターは一・五倍はいるわ」
「およそ六十万になります」
「そやからね」
だからだというのだ。
「ちゃんと育てて」
「戦力にしますね」
「そうよ」
実際にというのだ。
「あたい達もね」
「そして戦闘だけやなくて」
「輸送、偵察、パトロールにね」
「作業にとですね」
「働いてもらうわ、貴重な戦力よ」
「彼等もまた」
「そのことを忘れないことよ」
獣やモンスターについてこうしたことも言ってだった。
アレンカールは彼等も用い戦力として集結させもしていた、そしてブラジル南部に六十万の勢力を集結させてだった。
パラグライ、ボリビア、ペルーの南部にも二十万ずつ集結させた、それが整うと仲間達をウルグアイとの国境の前線に集めて言った。今まさに進撃せんとする様な状況だ。
「さて、集結も済んだし」
「はい、これよりですね」
アルゲダスが応えた。
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