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博士の挑戦状

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第二百五十一話

            第二百五十一話  やはり熱意がある
 小田切君はス-パーカセットビジョンをプレイして言った。
「情熱ですね」
「それがあるな」
「はい」
 そうだというのだ。
「こちらにも」
「面白いものを造ろうとな」
「そして楽しんでもらおうと」
「思ってな」
「その情熱がです」
 それがというのだ。
「かなりです」
「あってな」
「感じられて」 
 それでというのだ。
「面白いです」
「しかしそうしたハードでもな」
「今はないですね」
「遠い昔になった」
「そうですね」
「次代が進むとな」 
 そうなればというのだ。
「やはりハードも変わる」
「どんどんいいのが出ますね」
「プレイステーションもじゃな」
「今5ですからね」
 小田切君は神妙な顔で答えた。
「三十年位で」
「随分変わったな」
「そうですよね」
「そういうものでな」
「昔のハードは遊ばれなくなって」
「消えるのじゃ」
 そうなるというのだ。
「それが歴史の必然じゃ」
「古くなった技術は置いていかれる」
「しかしな」
「情熱は残りますね」
「そこにあったな」
「そうですね」
「ライト兄弟も複葉機だった」
 博士は飛行機を生み出したこの兄弟の話もした。
「ジェット機になってじゃ」
「複葉機は過去のものですね」
「しかしそこにあった情熱は残っておる」
 今もというのだ。
「そうなっておるしな」
「ゲームのハードも同じですね」
「そういうことじゃ」
 博士は穏やかな声で話した、そしてゲームを終えた小田切君に対してこんなことを言ったのであった。


第二百五十一話   完


                   2025・3・7 
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