サバサバ系女子の飲みもの
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第二章
「親父八段よ」
「とある声優さんみたいに」
「あの人のファンでもあるし」
「男八段ですか」
「私が目指すのね」
焼き鳥を食べてからは焼酎を豪快に飲む、そのうえで穏やかに飲む千夏と話していった。そして仕事では迅速に決断して動いて出来ていた、その様子も自分で言うにおっさんで。
しっかりとした日々を過ごしていた、だがある日。
「何が気に入ったのかよ」
「先輩にプロポーズですか」
「取引先の新井さんがね」
「ああ、あの物凄く上品で中性的な」
「そうなの、いい人だし」
「受けられますか」
「全然タイプ違うけれどね」
それでもというのだ。
「そうするわ」
「そうですか」
「ええ、まずはお付き合いして」
そしてとだ、千夏に話した。
「決めるわ」
「頑張って下さいね」
「こんなおっさん女の何処がいいかわからないけれど」
それでもと言ってだった。
睦美はその男性と付き合った、すると同じ呉出身でしかもお互いに補う形で意外にも相性がよくてだった。
付き合えば付き合う程親密になってだった。
「結婚するわ、おっさんとお嬢さんみたいにね」
「男女逆転ですか」
「そうした風だけれど」
それでもというのだ。
「お互い働いて家事もやって」
「先輩家事もされますね」
「一人暮らしだったからね」
「じゃあお互いに」
「結婚してもどっちもやってね」
「そうされますか」
「ええ、ただ彼もお酒好きだけれど」
それでもとだ、千夏に会社の中で笑って話した。
「私は焼酎彼はカクテル」
「そこは違いますね」
「ええ、けれどだからこそね」
「違うからですね」
「むしろいい感じだから」
それでというのだ。
「いい感じだし」
「じゃあ先輩はこれからも」
「おっさんでいくわ」
「サバサバですね」
「周りはそう言うけれどね」
それでいくと笑顔で応えた、そして結婚したがそのままで幸せになれた。夫からは母親になっても気風のいいお母さんで奥さんだと笑顔で言われて本人も笑顔になった。
サバサバ系女子の飲みもの 完
2025・5・23
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