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サバサバ系女子の飲みもの

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第一章

                サバサバ系女子の飲みもの
 黒髪をショートヘアにしてボーイッシュな顔立ちで一六七位の背でスタイルはいい。服はいつもスラックスだ。
 中谷睦美はOLである、仕事は出来面倒未がよくあっさりした性格で所謂サバサバ系と言われている。
 趣味は酒だ、そしてその飲む酒は。
「先輩焼酎はですか」
「そうよ」
 後輩の篠原千夏黒髪を長く伸ばしセットしている童顔で一五三位の背の胸のあるお嬢様の様な私服の彼女に居酒屋のカウンターで一緒に飲みつつ話した。
「それで飲むお店もね」
「居酒屋ですか」
「食べるものも」
 つまみもというのだ。
「この通りね」
「焼き鳥とか冷奴ですか」
「所謂おっさんの好物よ」
「サバサバ系じゃなくて」
「おっさんよ」
 焼酎のロックを飲みつつ言う、見ればつまみはその焼き鳥や冷奴だ。千夏は白ワインとカルパッチョである。
「私はね」
「サバサバじゃないんですね」
「おっさんよ」
 今度は笑って話した。
「サバサバなんていいものじゃないわよ」
「そうですか?」
「そうよ、家は建築業で」
 その仕事をしていてというのだ。
「兄弟は兄貴二人に弟一人」
「男系なんですね」
「三人共体育会系の部活でね」
 そちらに励んでいてというのだ。
「私も陸上部でね」
「汗かいていたんですか」
「中学高校ってね、家で出るお料理も」
 それもというのだ。
「量が多くて兄弟で獲り合って」
「何か凄いですね」
「父ちゃんはお酒好きで酔うといつも大笑いして」
 そうしてというのだ。
「一家で野球応援してね」
「応援しているチームは」
「家呉だからカープよ」
「ああ、あのチームですか」
「千夏ちゃんはパリーグよね」
「生まれ埼玉で西武です」
「そうよね、もうお家でお好み焼きとか焼いたり」
 千夏にさらに話した。
「家に来る人も建築業のね」
「おじさんですか」
「そう、ずっとおっさんの中で生まれ育って」
 そうしてというのだ。
「おっさんになったのよ」
「そうですか」
「何でも昔親父ギャルって言葉あったそうだけれど」
 平成初期のこの言葉も出した。
「まさにね」
「先輩はそちらですか」
「そうよ、目指すはね」
 焼き鳥を横から咥えて強引に引いて口の中に入れつつ話した。 
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