幼馴染みの仕事
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第二章
「やっぱりです」
「真面目よね」
「真面目にです」
「働いているわね」
「生きています」
そうだというのだ。
「これからも」
「そうなのね、しかし」
「しかし?」
「真面目に生きないとね」
沙也はこうも言った。
「私も真面目にOLしてるし」
「沙也さんもですか」
「負けていられないわね」
「真面目にですね」
「生きないとね」
「やっぱり真面目に生きるのが一番ですね」
「そうよね、それでね」
さらに言うのだった。
「ハッちゃんが元気で真面目に働いてしかも」
「しかもですか」
「お巡りさんになっているから」
だからだとだ、彼に笑顔で話した。
「嬉しいわ」
「そうなんですね」
「ええ、これからも頑張ってね」
「そうしていきます」
秀次は敬礼をして応えた、そしてだった。
沙也は実家に帰って自分が初老になった外見の母の清香その彼女に秀次のことを驚いている顔で話した。
「まさかハッちゃんがお巡りさんなんて」
「思わなかったの」
「ええ」
「というか知らなかったの」
「この前どうしているかしらって思ったばかりで」
一緒にお茶を飲みつつ話す。
「それでね」
「どうしているかって考えたばかりね」
「そうだったからね」
「お巡りさんになっているなんて」
「思わなかったわ」
そうだったというのだ。
「本当にね」
「そうだったのね」
「けれどね」
「けれど?」
「立派になってるわね」
笑顔で言った。
「本当に」
「そうでしょ、近所でも評判になってるのよ」
母は笑顔で応えた。
「真面目で優しいお巡りさんでね」
「立派になったって」
「そうね」
「そうなのね、じゃあ私もね」
沙也はそれならと応えた。
「頑張らないとね」
「いいOLになるの」
「そしていい人にね。あの子結構やんちゃなところがあって」
幼い頃の秀次のことを話した。
「変にスケベで転んで泣いたり」
「小さい子は皆そうしたところあるわね」
「けれど成長して」
そしてというのだ。
「いいお巡りさんになっているなら」
「あんたもね」
「いいOLになってね」
「いい人になるわね」
「そうなるわ、努力してね」
こう言って母に会社での働きぶりや日常のことを話した、そして改善点も見出してそのうえでだった。
実家から今の部屋に帰っても真面目に働いた、そのうえで日々を大切にして成長していった。そうして周りから頼りになるいい人と言われる様になったのだった。
幼馴染みの仕事 完
2025・5・23
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