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ハッピークローバー

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第百七十一話 家に帰ってその八

「何か作って食べるわ」
「栄養バランスは考えなさいね」
「じゃあキムチとお葱を使ってね」
 一華は早速応えた。
「卵あるわね」
「あるわよ」
「それでベーコンもあるっていうし」
 この食材もというのだ。
「炒飯か何か作ってね」
「食べるのね」
「そうするわ」
「じゃあね、本当に絶対によ」  
 母は娘に真顔で話した。
「お昼は絶対に食べてね」
「幾ら寝ても」
「それでもね」
 そうしようともというのだ。
「ちゃんとよ」
「三食食べないとね」
「三食食べてこそよ」
 母は強い声で言った。
「充分に動けるのよ」
「だからお昼も食べないとね」
「北朝鮮なんてね」
 世界で唯一八条学園に留学生を送っていない国だ、日本と国交がなくしかも共産主義を自称していて学園を運営している国際的な企業グループである八条グループとは決して相容れない間柄であるからだ。
「一日二食でね」
「まだいい位よね」
「何もなくて」
 食べるものがというのだ。
「満足に何か出来るか」
「出来る筈ないわね」
 一華もそれはと頷いた。
「それこそ」
「だからあの国はどんどん落ちていってるのよ」
「満足に食べていないから」
「一人だけ食べてるけれどね」
 母はこうも言った。
「将軍様だけは」
「それで丸々としてるのね」
「代々ね、それで三食食べたら」
 しっかりと、というのだ。
「身体も頭もしっかり動くし」
「身体も回復するわね」
「そう、だからお昼もね」
「絶対に食べるわ」
「そうしなさいね」
「絶対にね」
 こう話してだった。
 一華はまずは朝食を食べた、それからまた寝たが十一時前には自然と目が覚めてそれからはだった。
 昼食を作ろうと思った、だがここでだった。
 家のチャイムが鳴って理虹が来た、そのうえで言ってきた。
「遊ばない?」
「あんた体力あるの」
「かなり寝たからね」
 それでというのだ。
「元気よ」
「そうなのね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「来たけれど」
「今からお昼作るつもりだったのよ」
 見れば一華は自分の黄色いエプロンを身に着けている、そして右手にはご飯を入れる時に使うしゃもじを持っている。
「炒飯ね」
「そうなの」
「それで結構ご飯も食材もあるから」 
 それでというのだ。 
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