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ハッピークローバー

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第百七十一話 家に帰ってその三

「その顔もね」
「醜いわよね」
「人間が持つ醜さも」
 これもというのだ。
「怖いよね」
「そうよね」
「それでその悪意の中でも」
 醜いそれ等のというのだ。
「怨みや憎しみはね」
「特に怖いわね」
「そうした感情に心を支配されて」 
 そうなりというのだ。
「怨霊になって」
「祟るのよね」
「それが一番怖いよ」
 まさにというのだ。
「何よりもね」
「その通りね」
「そう、そして」
 そのうえでというのだ。
「害を為すから」
「怖いわね」
「だから普通の幽霊や妖怪さん達がいても」
 それでもというのだ。
「別にね」
「問題なしね」
「そうだよね」
「本当にね」
 すねこすりのことを思い出しつつだ、一華は達川の言葉に頷きそのうえで彼と一緒に踊った、踊りが終わると文化祭の終了が告げられてだった。
 生徒達は帰り支度を整えた者から家や寮に帰った、それは一華も同じで。
 達川と一緒に帰った、電車に並んで座って神戸から大阪に帰るが。
 電車の中でだ、一華は隣に座っている達川に言った。
「全部終わってね」
「ほっとしてるね」
「ええ」
 達川に寄り添う様にして座った状態で話した。
「本当にね」
「僕もだよ、明日は部活も休みだし」
「どの部活もね」
「ゆっくり寝るよ」
 家に帰ってというのだ。
「そうするよ」
「私もよ、ベッドに入ったら」
 そうすればというのだ。
「それからはね」
「ゆっくり寝て」
「疲れを取るわ」
「そうしようね」
「それこそね」
 まさにというのだ。
「一日じっくりと寝て」
「疲れを取るね」
「さもないとね」
「疲れが残って」
「後が大変だから」
「お互いよく寝ようね」
「ええ、ただね」
 こうもだ、一華は言った。
「明日遊ぶ人もいるわね」
「そこはそれぞれだね」
「元気よね」
 しみじみとした口調でだ、一華は言った。
「もう私すっかりね」
「疲れきってるかな」
「全部終わってこうして帰りの電車に乗ってると」
 そうしていると、というのだ。
「どっと疲れが出たわ」
「そうなったんだね」
「だからね」
 それでというのだ。 
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