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金木犀の許嫁

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第六十五話 お寺の食事その十二

「無神論以前にね」
「おかしいですね」
「そんな人が自分の力だけで生きていくなんて言っても」
 それでもというのだ。
「もうね」
「間違えて」
「そしてね」
「大変なことになりますね」
「そうなるよ。俺は無神論は否定しないけれど」 
 佐京はそれでもと話した。
「出来るだけね」
「信じた方がいいですね」
「その人の話を聞いて思ったよ」
「無神論で自分の力だけで生きていくと言って」
「日本の皇室は駄目で北朝鮮の世襲はいいなんて言う人を聞いてね」
 そうしてというのだ。
「無神論だとね」
「そうなるのか」
「北朝鮮って看板は共産主義だね」
「看板だけはそうですね」
 豊もこう返した。
「一応は」
「実際は違っても」
「どう見ても」
「そうであってね、共産主義はね」
 この思想はというのだ。
「無神論だから」
「そのことも見て」
「神様を信じるならね」
「その方がいいと思われましたか」
「今もね。流石に北朝鮮はないよ」
 この国はというのだ。
「誰がどう見てもね」
「普通の人が」
「うん、そうしたらね」
「どんな国かわかりますね」
「日本より遥かにおかしな国だよ」
 そうだというのだ。
「異常な位だよ」
「本当にそうですね」
「そんな国をいいと思うのなら」
 それならというのだ。
「神様を信じる方がだよ」
「いいですね」
「仏様もね」
 豊の家のことから話した。
「信じる方がね」
「いいですね」
「ずっとね、それでそこまで間違えると」
「そうした人はですね」
「救うことはね」
「人間では難しいですね」
「人間の出来ることは限りがあるよ」
 佐京は達観した声で言った。
「だからそうした人は救えないよ」
「仏様が出来ることですね」
「そう思うよ、人間は限りなく成長出来ても」
「力は限られていますね」
「神様仏様と比べたらね」
 どうしてもというのだ。
「そのこともわかっておかないとね」
「駄目ですね」
「そう思うよ」
 こう言うのだった、そしてだった。
 豊も入れて五人で話していった、彼と白華はその中でさらにお互いを知って打ち解け合っていくのだった。


第六十五話   完


                     2025・3・8 
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