西遊記
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第三回 孫悟空武器を手に入れるのことその七
「それはお主が持っておくのだ」
「ふむ。こうしたものがいらぬか」
「そうした者もおるのだ」
世にはというのだ。
「覚えておくことだ」
「それではな」
「してお主も国の者達も不老不死になったが」
「嬉しいぞ」
「これからどうするのだ」
「遊ぶに決まっておる」
これが悟空の返事でした。
「もうな」
「いや、遊ぶのはだ」
冥王の一柱が言ってきました。
「それはどうか」
「よくないのか」
「お主は仙人になってだ」
そうしてというのです。
「不死にもなったな」
「めでたくな」
「そこまで至れば最早神仏に等しいのだ」
「それは尚更よい」
「だがそこまで至ればだ」
「何かあるのか」
「神界か仏界に入りだ」
そうしてというのです。
「何かの仕事をせねばならん」
「遊んでは駄目なのか」
「遊んでもよいが」
それでもというのです。
「働くこともせねばならん」
「そうなのか」
「うむ、そうなる」
「ではわしは何をすればいいのだ」
悟空は冥王達に尋ねました。
「働くと言っても」
「それは色々だ」
「仕事と言ってもな」
「実に多くある」
「一口には言えぬ」
「わしは今花果山、水蓮洞の主として猿や魔物の王として治めておるが」
悟空は今の自分の仕事のお話をしました。
「神界か仏界ではどうなる、そもそもわしはどちらに行く」
「今は神界だ」
また別の冥王が答えました、皆裁判官の服を着ていてそれぞれの色に分かれていて実によく目立っています。
「お主は仙人だからな」
「仙人だと神様か」
「そちらになる、仏になればな」
「仏界だな」
「左様、それで神界でだ」
そちらでというのです。
「働くことになる」
「そしてどういった仕事だ」
「そのことは万歳老が決められる」
天帝がというのです。
「あの方がな」
「神界の主だな」
「その方だ」
まさにというのです。
「そうなる」
「よし、それならだ」
「万歳老のお言葉に従うな」
「ああ、そしてだ」
そうしてというのです。
「神界で働くぞ」
「それではだ」
「このこと万歳老にお伝えする」
「そうしておくぞ」
「我等の方で」
「宜しく頼む、さてわしはどういった仕事に就くか」
悟空はそれが楽しみで言いました。
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