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金木犀の許嫁

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第六十五話 お寺の食事その六

「そうでした」
「僕もだよ、お互いそう思っていたね」
「そうですね」
「そんな人だったら」
 それこそというのだ。
「お断りしようともね」
「考えていましたね」
「そうだったよ、底意地の悪い人なんて」
「嫌ですよね」
「他にも乱暴な人も」
「ヒステリックな人も」
「偉そうな人も」 
 そうした性格の持ち主だというのだ。
「それでどうしようもないなら」
「困りますね」
「結婚しても」
 それでもというのだ。
「碌なことにならないから」
「やがて離婚もします」
「そうなる位なら」 
 それならというのだ。
「最初からね」
「結婚しない方がいいですね」
「だからね」
 それでというのだ。
「相手はね」
「選びたいですね」
「禄でもない相手だと」
 それこそというのだ。
「結婚したらね」
「不幸になりますよね」
「そう思うよ、何でもね」
 ここで豊は白華達が話したあの輩の話をした、そのうえで白華に対してこう言ったのであった。それも深刻な顔で。
「人では救えない様な」
「その人ですね」
「知ってるんだ」
「私達の学校で有名ですから」
 白華は答えた。
「ああはなるまいとです」
「思う人だね」
「とことん駄目な」
 そうしたというのだ。
「餓鬼ですね」
「人間のバケモノかな」
「兎に角どうしようもない」
「そう、餓鬼だよ」 
 豊はまさにと言った。
「その人は」
「そうですね」
「僕も聞いたけれど」
「どうにもならない」
「最低と言ってもね」
 それでもというのだ。
「足りない様な」
「どうにもならない人ですね」
「あそこまでいったら」
 それこそというのだ。
「人ではね」
「救えないですね」
「幾ら教えを説いて」
 そうしてというのだ。
「いい人を紹介しても」
「どうにもならないんですね」
「お父さんもお母さんも無理と言って」
 その輩を救うにはというのだ。
「宗派の老師さんもね」
「言われましたか」
「その人のことを聞いたら」
 それこそというのだ。
「自分には無理だって」
「救うことは」
「言われたよ」 
 その様にというのだ。 
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