金木犀の許嫁
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第六十五話 お寺の食事その三
「梅干しも肴にしてね」
「お酒いえ般若湯の」
「般若湯もね」
こちらもというのだ。
「かなりあるから」
「そうですか」
「どんどん飲んでね」
「残すとよくないですね」
「お酒は日持ちするけれど」
それでもというのだ。
「お肉とかお野菜はそうじゃないから」
「残さずですね」
「デザートに桃もあるし」
「桃ですか」
「そちらもね」
「食べないと駄目ですね」
「うん」
まさにというのだ。
「そちらも宜しくね」
「それでは」
「豪勢ね」
夜空はここまで聞いて笑顔で言った。
「お酒もあってなんて」
「いえ、献立はわからないです」
「そうなの」
「いただいたものはです」
それはというのだ。
「本当に絶対にです」
「食べないといけないわね」
「そうですから」
お寺ではというのだ。
「何を食べるかはです」
「決まっていないのね」
「勿論うちでも買いますが」
それでもというのだ。
「いただきものは絶対にです」
「食べるのね」
「そうしないと駄目です」
「残さないことが絶対ね」
「命なので」
「うちの学園もそうなのよね」
夜空がここでこう言った。
「残さない、残飯が出ても」
「豚さん達の飼料にしてね」
「無駄にしないからね」
真昼に話した。
「そこはしっかりしているわね」
「そうよね」
真昼も確かにと頷く。
「私達も出来る限り残さない様にしてるしね」
「そうしてるからね」
「本当にね」
「無駄にしていないわ」
「残飯も出さないのがお寺だけれど」
「それはいいことよね」
「凄くね、何と言ってもね」
真昼は夜空にさらに話した。
「何もかもを無駄にしない」
「当然食べものもね」
「何でも粗末にしたらいけないから」
「その通りね、私もね」
夜空は真昼のその言葉を受けて言った。
「そうしないとね」
「そうよね、私もね」
真昼も同じ考えで頷いた。
「そうしないとね」
「食べものは粗末にしない」
「何でもね」
「そうです、あらゆるものが御仏の恵みですから」
豊は真面目な顔で言ってきた。
「食べものもです」
「残さない様になのね」
「そうしています、本当に残すことは」
それはとだ、豊は真昼にも話した。
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