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金木犀の許嫁

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第六十五話 お寺の食事その二

「お酒もです」
「駄目だったね」
「けれど今は問題は」
「残さないことだね」
「命は全てです」
 肉も魚も野菜も果物もというのだ。
「いただきます」
「それも残さず」
「そうします、それで量ですが」
 豊はそちらの話もした。
「実はかなりです」
「多いんだ」
「そしてです」
 佐京にさらに話した。
「本当に絶対にです」
「残したら駄目だね」
「命をいただいていますから」
 それ故にというのだ。
「このことはです」
「絶対のことだよね」
「本当に」
「今は出家していないけれど」
 佐京は豊、妹とお見合いする彼に微笑んで話した。
「十勇士でもお寺のお家あるしね」
「三好清海さんと三好伊佐さんですね」
「お二人のお家も続いていてね」
「お寺のことは聞いていますね」
「八条学園の中にもお寺あるし」
 このこともあってというのだ。
「俺達も知っているよ」
「このことは」
「だから安心してね」
「それでは、あとです」
 ここで豊は佐京達に聞き返した。
「もう十勇士の方々は出家されていないんですね」
「ええ、その三好清海さんと三好伊佐さんも」
 真昼が答えた。
「お子さん達はね」
「出家されていなかったですか」
「出家されていても結婚されていて」
 二人はというのだ。
「お子さんおられて」
「それで、ですか」
「以後十勇士の家でお坊さんになった人はいても家督を継いだ人達では」
「出家された人はおられないですか」
「今に至るまでね」
 そうだというのだ。
「本当にね」
「そうですか」
「ええ、ただね」
「お寺のことはご存知ですね」
「そうしたことはね」
 食事そこにある信仰のことはというのだ。
「安心してね」
「ではお腹一杯召し上がって下さい」
「そうさせてもらうわね」
「梅干しもありますが」
 豊はこちらの話もした。
「自家製です。それも沢山あるので」
「梅干しがですか」
「そう、だからね」 
 白華に笑って話した。
「般若湯のおつまみにもなるよ」
「梅干しをおつまみにするのは」 
 そう言われてだ、白華は思い出した顔になって話した。
「上杉謙信さんですね」
「あの人お酒好きでね」
「梅干しを肴にしておられましたね」
「梅干しとかお塩とかお味噌とかね」
「そうしたもので飲んでおられて」
「それでよかったら」 
 白華達もというのだ。 
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