ファミレスのステーキ
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第一章
ファミレスのステーキ
主婦の谷崎茉莉也は息子の潤一郎と娘の公佳をファミレスに連れて行った、後で夫で飲食店の店長をしている湘洋も来ることになっていて一家で食べる予定だ。
茉莉也は黒髪を短くしていてはっきりした黒目がちの二重の目と小さな顔、大きな紅い唇に一五二位の均整の取れたスタイルである。公佳はその母そっくりで彼女の兄の潤一郎は優しい顔立ちで黒髪をスポーツ刈りにしていて背は高く父親似である。
夫が来るまで三人で食べる様にしたが、だった。
「お母さん、今日ここステーキフェアみたいね」
「そうね」
メニューを開けばそうだった。
「ステーキが安いわね」
「そうなのよね」
「それじゃあね」
小四の娘に話した。
「あんた達はそれにする?」
「ステーク頼んでいいの?」
小五の息子が聞いてきた。
「そうしても」
「いいわよ、というかステーキ嫌い?」
「だってお母さんステーキ高いってよく言うじゃない」
「そうよね」
娘も言ってきた。
「牛肉のステーキはね」
「だからうち鶏肉とか豚肉のステーキ多いよね」
「あれはあれで美味しいけれどね」
「牛肉のステーキってね」
「あまりないわね」
「安いならいいのよ」
だが母はこう返した。
「牛肉のステーキでもね」
「いいの」
「そうなの」
「問題は値段よ」
あくまでというのだ。
「安いならね」
「いいんだ」
「ここで食べてもいいのね」
「そうよ。ただお母さん今日はステーキの気分じゃないから」
食べる気持ちでないというのだ。
「ハンバーグにするわ」
「そうなんだ」
「お母さんはそっちにするの」
「ハンバーグも安いし」
ステーキフェアの中に入っていてだ。
「そっちにするわ」
「うん、それじゃあね」
「私達はステーキにするわ」
こうしてだった。
子供達はステーキを注文し母はハンバーグとなった、三人でそれを食べていると夫が来て彼はステーキを注文したが。
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