ハッピークローバー
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第百七十話 近付く終幕その六
「よく見たらね」
「妖怪さん達がいて」
「幽霊もね」
「いるのね」
「そうらしいよ」
「成程ね」
「恋愛関係のお話は聞いたことがないけれど」
それでもというのだ。
「そうしたお話もあるよ」
「面白いわね。私も妖怪さん達好きだしね」
一華は笑って述べた。
「剽軽で明るくて」
「楽しいよね」
「そうよね」
「うちの学校の妖怪さん達はね」
「悪い妖怪もいるけれど」
「普通の妖怪さん達は明るくて」
「うちの学校もそうだし」
それでというのだ。
「若し今いたら」
「楽しいね」
「そうよね、何ならね」
一華は笑って言った。
「運動会なんて」
「それはお墓だよ」
「夜は墓場で」
「ゲゲゲのだよね」
「ああした感じでね」
「運動会は終わったけれど」
「ああした感じで遊んでたら」
学園にいる妖怪達がというのだ。
「いいわね」
「キャンプファイアーの時は」
「それで一緒に踊ってもね」
「いいね」
「そう思うわ、幽霊でなくてもね」
妖怪でなくだ。
「いいしね」
「別にね」
「人を食べるとか祟るとかね」
「そうでもないとね」
「むしろテロやる方がね」
そうした輩の方がというのだ、世の中多くの人が楽しい時間を過ごしている場所を狙ってテロを行う輩もいるのだ。
「問題だしね」
「いるからね、そんなテロリストも」
「テロやるだけでも悪いことなのに」
「大勢の人を狙うんだよね」
「それも楽しい時にね」
「そうしたらね」
達川は嫌そうに話した。
「最悪だからね」
「楽しい場所が一瞬で地獄になって」
「だからね」
それ故にというのだ。
「テロやる奴の方がね」
「妖怪や幽霊よりずっと酷いね」
「ええ、妖怪や幽霊は悪いことしないと」
「人間と同じだよ」
「普通のね」
「それにね」
一華は嫌そうな顔でこうも言った。
「そうしたテロをする奴をいいって言う馬鹿もね」
「いるよね、そんな馬鹿も」
「ええ、そしてね」
そうであってというのだ。
「権力に反対するからいいとか言うのよ」
「最低の馬鹿だよね」
達川も同意した、そうしつつ一緒に踊りはじめている。
「そんな馬鹿は」
「権力に反対するならテロしていいの」
「それで大勢の人を殺しても」
「それ殺された人達の遺族の人達の前で言えるか」
「言ったら殺されるよ」
達川は言い切った。
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