金木犀の許嫁
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第六十四話 両親が戻ってその十
「本当にね」
「人の運命はわからないのね」
「一生はね」
「そうなのね」
「それでね」
そうであってというのだ。
「それはね」
「神様仏様のお仕事ね」
「そうだと思うわ、けれどね」
「けれど?」
「人間ってその中でね」
極論すると何時死ぬかわからない中でというのだ、真昼は夜空に対して自分が思うことをさらに話していった。
「一生懸命ね」
「努力して」
「生きていくしかないのよ」
「努力しないと幸せになれないし」
「その何時死ぬかも」
「わからないし」
「もうそこは割り切って」
こう言うのだった。
「何時どうなるかわからないって」
「それはどうしようもない」
「そう」
最早というのだ。
「そうであってね」
「その中でなのね」
「一生懸命努力して」
「夫婦でよくなっていって」
「仲よくしていくことよ」
「それが人間なのね」
「一生でね、それでね」
そうであってというのだ。
「長生きする様にもね」
「努力することね」
「そう」
まさにというのだ。
「幸せになってね」
「夫婦仲よく」
「そしてそれがずっと続く様に」
「長生きの努力もすることね」
「もう死んだらそれまでって」
その様にというのだ。
「思い切って割り切って」
「努力することね」
「それで金婚式もダイヤモンド婚式もよ」
五十年でも六十年でもというのだ。
「一緒にいればいいのよ」
「幸せに」
「確かに難しいわよ」
真昼にもわかっていた。
「それまで一緒にいられるなんてね」
「五十年も六十年もね」
「その間本当に山あり谷ありで」
「大変で」
「死にそうなこともあるかも知れないし」
「実際に死ぬかも知れないわね」
「ええ、けれどね」
それでもというのだ。
「努力してね」
「目指すことね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「幸せにね」
「なることね」
「夫婦で、そして」
真昼はさらに言った。
「子供が出来たら」
「子供もなのね」
「幸せになって」
そしてというのだ。
ページ上へ戻る