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西遊記

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第二回 孫悟空混世魔王を倒すのことその七

「そうしますので」
「よいですか」
「万歳老は玉座から動かれることはありません」
「あの猿、孫悟空については」
「そうされて下さい」
「そうですか、しかし」
 それでもというのでした。
「朕も神界の帝であり」
「騒ぎが起こり」
「それが他の者では収まらぬことになれば」
 その時はというのです。
「やはり」
「動かざるを得ない」
「そうした時もありますが」
「ですがその際は私にです」
「任せて欲しいですか」
「実はです」 
 釈尊は微笑んでこうも言われました。
「私はあの者にも目をかけていまして」
「他の者達に対するのと同じく」
「はい、そして」
 そうであってというのです。
「あの者がどうにもならないのなら」
「その時はですか」
「万歳老が出られず」
 そしてというのです。
「私にお任せ下さい」
「左様ですか」 
 帝は釈尊ご自身と肩を並べる存在であるその方に言われて頷きました、帝とそうしたお話をされてです。
 釈尊は仏界に戻られました、するとご自身の二番弟子である金蝉子に言われました。
「貴方の運命ですが」
「はい、これからはですね」
 金蝉子はすぐに応えられました。
「下界に下りることもありますね」
「人界に」
「そして人に生まれ変わり」
「そうしてです」
 そのうえでというのです。
「大きなことをして頂きます」
「その時は」
「その国は最初は乱れていますが」
「私が生まれた時は」
「しかしです」 
 それでもというのです。
「泰平になりますので」
「その時にですね」
「動かれ」
 そうしてというのです。
「そこからです」
「大きなことを為すのですね」
「四人の弟子達を連れて」
「そうですか」
「はい、そして」
 そのうえでというのです。
「修行も経て」
「そのうえで」
「世に残ることを為されます」
「人の世にですね」
「そして貴方はさらにです」
 今以上にというのです。
「素晴らしい仏になられます」
「今以上に」
「涅槃に至られましたが」
 釈尊は金蝉子に微笑んで言われました。
「そこからもです」
「あります」
「そうです、悟りを開き」
 そしてというのです。 
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