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新オズのブリキの樵

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第八幕その九

「ドーナツにも合うよ」
「とてもね」
「だからそこはそれぞれよ」
 ビリーナは二匹にあらためて言いました。
「その人それぞれよ」
「そうだね、僕は今ミルクを飲んでいるけれど」
 臆病ライオンはバケツみたいな巨大なカップになみなみと入っているホットミルクを飲みながら言います。
「ドーナツにも合うよ」
「そうよね」
「元々ミルク大好きでね」
「ドーナツと一緒に食べてもね」
「いいのよね」
「そうだよ」 
 ビリーナに笑顔で答えます。
「本当にね」
「私はこうしてね」
 王女はアップルティーを飲んで言いました。
「やっぱりね」
「アップルティーね」
「今もね」
「あんたは大抵そうよね」
「ええ、何といってもね」
 ビリーナに笑顔で答えました。
「紅茶はね」
「アップルティーよね」
「それが好きね」
「モジャボロさんと同じでね」
「林檎なら何でも好きよね」
「だからね」
 そうであるからだというのです。
「今もよ」
「アップルティーを飲んでいるのね」
「そうしているのよ」
「そうよね」
「飲みものもいいけれど」
 カエルマンはコーヒーを飲んでいます、そのうえで目の前のお皿の上にあるドーナツ達を見て言いました。
「ドーナツも色々あってね」
「いいですよね」
「オールドファッションにね」
「チョコレートに」
「ショコラもあってね」
「それぞれ何種類もありまして」
 クッキーはミルクティーを飲みつつ応えました。
「いいですね」
「全くだよ、ドーナツはいいものだよ」
「素敵なお菓子ですね」
「私も大好きだよ」
「私もです」
 クッキーも笑顔で言います、そうしてです。
 二人も食べます、ですが。
 食べない人達は食べる人達の笑顔を見て笑って言いました。
「この笑顔がいいのよね」
「全くだよ」
 かかしはにこにことしてつぎはぎ娘に応えました。
「美味しいものを食べた時の」
「飲んでね」
「その時の笑顔がね」
「とてもいいのよね」
「その通りである」
 伍長もにこりとしています。
「笑顔を見るのはいいものであるが」
「飲んで食べる時も笑顔もね」
「最高である」 
 ラベンダー熊に応えました。
「だからこうしてである」
「誰かが食べる時は一緒にいるね」
「食べる者達と」
「そうなんだよね」
「人の笑顔は最高のご馳走だよ」 
 熊の王様も言いました。 
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