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西遊記

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第一回 孫悟空生まれるのことその一

                第一回  孫悟空生まれるのこと
 この時お釈迦様は周りの仏様達に微笑んで仰いました。
「皆さんはこの世界のことをご存知ですね」
「はい」 
 仏様達はすぐに答えました。
「今は混沌が終わりまして」
「かなりの時が経ちました」
「世界が出来てきました」
「そして四つに分かれています」
「そうです、まずはです」
 お釈迦様は微笑んだまま仰いました。
「東勝神洲です」
「そして西牛貨洲に」
「南贍部洲がありまして」
「北倶蘆洲です」
「合わせて四つです」
「四つの部洲から成り立っています」
「そうです、そしてです」
 お釈迦様は仏様にお言葉に頷きつつさらに仰いました、おられる仏界は今も静かで蜘蛛の上で優しい光に包まれています。
「東勝神洲の海の東に傲来国がありますね」
「はい、ありますね」
「あちらには」
「左様ですね」
「あの国に花果山があります」
 この山がというのです。
「名山ですね」
「実に見事な」
「素晴らしい山です」
「見ているだけで惚れ惚れするまでに」
「入れば尚更です」
「その花果山にです」
 まさにそちらにというのです。
「仙石がありますが」
「ああ、あれですね」
「見ればありますね」
「その頂上に」
「確かに」
「不思議なことにです」
 お釈迦様がご覧になられてもです。
「その石が卵を産みました」
「ありますね」
「石の卵ですね」
「あの仙石が産みましたか」
「これは面白い」
「そしてです」
 さらに仰いました。
「その卵が風を受けて」
「おお、何と」
「猿が生まれました」
「これは面白い」
「早速動きはじめました」
「あの猿はこれから大きなことを為します」
 お釈迦様は仏様達に言われました。
「それを見守り時には手助けし試練もです」
「与えていきますか」
「これからは」
「私達は」
「天帝ともお話してそうしていきましょう」
 こう仰るのでした、そしてです。
 その猿を見ていくことにしました、猿は黄金色の毛と髪を持っていて燃え盛らんばかりに元気です。
 そして山を下りてです、そこにいる猿達に言いました。
「おいらも仲間に入れてくれ」
「何だ、新顔か?」
「面白そうな奴だな」
「わし等は来る者は拒まずだ」
「入れ入れ」
「それではな」 
 猿も頷きました、こうしてです。
 猿は群れの中に入り一緒に遊ぶ様になりました、色々な遊びを楽しんで毎日を過ごす中で滝のところで水遊びをしていてです。 
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