ハッピークローバー
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第百六十八話 最後日の開始その二
「どうなってるかしらね」
「わからないわね」
「ええ、もう明日のこともね」
「わからないしね」
留奈も言った。
「はっきり言えば」
「そうよね、世の中ってね」
「急に何かあるとか」
「普通だしね」
「だからね」
それでというのだ。
「来年どうなってるか」
「どんな文化祭か」
「わからないわね」
「私達二年になってるけれど」
「どんな風になってるか」
「神様だけが知ってる」
「そんなものよ」
それこそというのだ。
「はっきり言えばね」
「その通りね」
「けれど」
それでもというのだ。
「その時どうなっているか」
「神様にしかわからないわね」
「世の中わからないから」
「明日のこともね」
「極論すればね」
「そうだから」
「来年のことなんて」
それこそというのだ。
「わからないわよ」
「そんなものよね」
「今朝はこうでも」
「夜もわからないわね」
「そうよ、一瞬後さえね」
その時もというのだ。
「わからないし」
「何とも言えないわね」
「これがね」
こう話した、そしてだった。
留奈はここでだ、理虹に言った。
「それって怖いわね」
「先のことがわからないって」
「何がどうなるかね」
それがというのだ。
「深く考えるとね」
「そうよね」
理虹も確かにと頷いた。
「これがね」
「何もわからないってね」
「どうなるか。不安で」
「それが怖いのよね」
「不安なことがね」
「ええ、しかもね」
留奈は真面目に考える顔で話した。
「考えても仕方ないのよね」
「未来のことってね」
「こうなりたいって努力しても」
「それでもどうなるかわからない」
「誰にもわからないのよ」
留奈は言った。
「そしてそれをね」
「どうにもならない」
「神様しかなのよね」
「未来ってわからないのよ」
理虹は留奈に返した。
「結局は」
「そう、神様しかね」
「そうしたものだから」
「考えてもね」
「人間には仕方ないから」
理虹は言った。
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