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失われたユートピア

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第三章

「いい環境だしね」
「それでお父さんお母さんは元気になって」
「元々いい人達だし」
「問題なしよ、何かね」 
 乃理子は美里と共に飲みつつ話した、今は居酒屋で話をしているのだ。
「教団以外の場所もね」
「いいでしょ」
「そのことに気付いたわ」
「それは何よりね」
「ええ、それで今はね」
「教団の方は見ているわね」
「外からね。戻りたいけれど」
 そう思っているがというのだ。
「今はね」
「待つしかないわよ」
「美里の言う通りね、だから待つわ」
「そうしてね」
「そうするわ」
 こうした話をした、教団を追い出されてもいい環境の中にいることを感じながらだ。そして美里にもビールを飲みながら言った。
「美里もいてくれてるし」
「私もなの」
「お友達とね。それにビールも美味しいし」
「ここ焼き鳥も美味しいし」
「だからね」
 それでというのだ。
「教団を離れても幸せよ」
「それはいいことね」
「ええ、追い出されてもね」
 教団をというのだ。
「幸せよ」
「それは何よりよ」
 美里は乃理子の言葉に笑顔で応えた、乃理子は幸せであった。
 そしてだ、ある日美里は乃理子を飲んで彼女に言った。
「聞いた?あの教団のことね」
「ええ、詐欺とかね」
「内部対立にね」
「他にも色々あって」
「セクハラとかモラハラとか」
「もう滅茶苦茶みたいね」
「どうもね」
 美里は乃理子に話した。
「あそこはね」
「インチキかも知れないのね」
「そう、だからね」
「追い出されてよかったかしら」
「ええ、そうしたことに巻き込まれる前にね」
「私実は注意した幹部の人とは別の幹部の人によくしてもらっていて」
 ここで乃理子はこのことを思い出した。
「それでね」
「その人が追い出した人と仲悪かったのね」
「言われてみるとお互い挨拶もしていなかったわ」 
「そうだったのね」
「それでその追い出した人がね」
「問題ね」
「詐欺とかセクハラとか」
 今問題になっている多くの件でというのだ。 
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