| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百六十七話 文化祭最後の日その六

「本物の魔女はね」
「そもそも捕まる筈ないわね」
「そうよね」
「箒に乗って逃げるわね」
 捕まりそうになればというのだ。
「簡単にね」
「そうするわよね」
「他にも色々魔法使うし」
 かな恵はそれでと話した。
「本物の魔女なんてね」
「絶対に捕まらないわね」
「捕まるのならね」
「偽物に決まってるわね」
「こんなのちょっと考えたら」
 そうすればというのだ、こうした指摘は魔女狩りが行われていた時代にも言われていたが聞く人は少なかった。
「わかるわよね」
「もうね」
「暴走してるから」
「わからなかったわね」
「そのことも考えたら」
 そうすればというのだ。
「本当にね」
「暴走した正義なんてね」
「碌なものじゃないわ」
「悪よね」
「むしろね」
 こんなことを話した、そしてだった。
 富美子は朝食の後で越智と会ってお化け屋敷がはじまるまで校内での朝のデートを楽しんだ。そこでだった。
 越智に暴走しても正しいことをしていると言う者のことを話すとこう返された。
「じゃあテロしてもいいのかよ」
「自分達が正しいと思ってる人が」
「テロリストなんてな」
 忌々し気な口調で言ってきた。
「もうな」
「自分が正しいよね」
「絶対にってな」
「思ってるわね」
「そして自分達以外はだよ」
「間違ってるって思ってるわね」
「それでな」
 そのうえでというのだ。
「暴走してな」
「テロやって」
「関係ない人巻き込むんだよ」
「そうするわね」
「自分達が正しいって思ってな」
 越智はさらに言った。
「新聞やテレビが嘘吐いたらな」
「とんでもないことになるわね」
「そうなるだろ」
 こうも言うのだった。
「それこそな」
「そうなるから」
「だからな」
 それでというのだ。
「暴走した正義なんてな」
「最悪よね」
「暴走しても正しいことをしているって言う奴なんてな」
「それも自分達が」
「テロリスト予備軍だよ」
 やはり忌々し気に言った。
「もうな」
「そうなるのね」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「俺もそんな奴嫌いだよ」
「テロもしかねないから」
「テロで関係ない人巻き込むなんてな」
 そうした行為はというと。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧