嵐の中での保護
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第二章
「嵐の中で保護されたのよね」
「私達にね」
サラは笑顔で答えた。
「そうだったわ」
「ソフィーが出産して」
母猫を見つつ話した。
「嵐の中で」
「そこで出産したお家の人が見てね」
「すぐに貴方達が呼ばれて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「保護したのよ」
「嵐の中大変だったでしょ」
「ソフィーはすぐに保護出来たけれど」
それでもというのだ。
「けれどね」
「子猫達がね」
「ソフィーが隠して」
「子猫を安全な場所にそうするのは母猫の習性ね」
「それで何処にいるか探したら」
そうすればというのだ。
「お家の人がお庭の茂みの中に見付けて」
「保護したのね」
「四匹共ね」
「よかったわね」
「それですぐにお医者さんに観てもらって」
「栄養注射してワクチンも打って」
「家族を募集してよ」
そうしてというのだ。
「貴女のお家に迎えられたのよ」
「そういうことよね」
「そう、そして」
そしてというのだ。
「幸せにしてくれているわね」
「この通りね」
クリスティはミズタニに笑顔で答えた。
「主人や子供達と一緒にね」
「そうしてるのね」
「そう、そして」
そのうえでというのだ。
「皆でね」
「仲よく楽しくなのね」
「暮らしていっているわね」
「そうしているわ」
実際にというのだ。
「幸せをもらってね」
「それは何よりよ。見ればわかるわ」
ミズタニは猫達を見て微笑んで話した。
「この子達が幸せなのが」
「ソフィーもそうで」
まずは母猫を見た。
「ホワイトもブラックもグレーもブラウンもね」
「子猫達は毛色のまま名付けたわね」
「ええ、どの子も雄だけれど」
「四匹もね」
「わかるのね」
「毛並みもいいし適度に太っていて今も穏やかに寝てるし」
笑顔での言葉だった。
「それが出来ているのは」
「幸せだからなのね」
「そうしているのよ、だからね」
それでというのだ。
「これからもお願いね」
「ええ、ずっと幸せを貰うわ」
「幸せにしても」
「私達もそうしてもらうわ」
こう笑顔で言うとだった。
「ニャア」
「ウニャア」
「ニャオン」
「ミャウン」
「ウニャン」
猫達は不意に顔を上げて任せろという風に鳴いた、二人はその鳴き声とそれを出した顔を見てまた笑顔になったのだった。
嵐の中での保護 完
2024・4・23
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