嵐の中での保護
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第一章
嵐の中での保護
シドニーにおいてだ、この街のオペラハウスの近くでレストランを経営しているロナウド=ホリーきりっとした顔立ちで青い目と砂色の髪を持つ大柄な彼はこの日店は休みで自宅でくつろいでいたがそこでだった。
家の外、嵐の天気でそのうえで妻のマーベル、赤い長い髪に青い目の面長で痩せた彼女に言った。二人共中年である。
「嵐だから丁度いいな」
「お店休みでね」
「こうした天気だとお客さんも少ないしな」
「どうしてもね」
「外出しなくてな」
「本当に丁度いいわ」
「全くだ、しかしな」
ここでだ、夫は。
窓の外の自宅の庭を見てだ、顔を顰めさせた。
「すぐに外に出るぞ」
「どうしたの?」
「庭の端に猫がいるんだがな」
「この嵐の中で?」
「野良猫か、首輪がない」
そうだというのだ。
「しかも子猫が三匹いる」
「三匹もなの」
「この嵐の中にな、道に出ようとしてるぞ」
嵐の中でというのだ。
「少しでも安全な場所を探すつもりか」
「動く方が危ないでしょ」
「ああ、だからな」
「助けに行くのね」
「ちょっと行って来る」
「私も行くわ」
夫婦は即座に判断を下した、そうしてだった。
二人で庭に出ると猫達は庭から家の外の道に出ていた、それですぐに道に出て嵐に耐えつつ歩く猫達をだ。
すぐに持って来ていたケースに皆入れた、嵐に神経を集中させていた彼等は二人に捕まるまで気付かず保護自体は楽に行われた。
二人はすぐに猫達の身体を拭きミルクをやった、そのうえで夫は妻に言った。
「折角助けたんだ」
「それならね」
「うちにはもう家族がいるがな」
「ワン」
大型の雄のコリーがいたが彼等を優しく見守っている。
「シャリアがな」
「この子はとてもいい子だし」
「学校から帰った子供達にも話してな」
「家族に迎えましょう」
「四匹共な、名前も付けるか」
見れば四匹共白毛で多少黒い部分がある、皆雌である。まずは母猫と思われる特に白い部分が多い大きな猫を見てだった。
「こいつはスノーだ」
「白い部分が多いから」
「ああ、それでホワイトにミルクにライトだ」
「それぞれ名付けて」
「病院にも連れて行ってな」
「飼うのね」
「そうするな」
こう言ってだ、彼は猫達にも問うた。
「お前達もそれでいいよな」
「ニャア」
「ニャン」
「ミャウン」
「ウニャア」
四匹はお願いという風に応えた、そして学校から帰った息子のショーン父親そっくりの彼も話を聞くと納得してだった。
四匹は家族に迎えられた、そうして親子揃って幸せになたのだった。
その話をインターネットで知ってだ、ノースカロライナ州ジェームスタウンでドラッグストアを経営しているヨハンナ=クリスティグレーの短い髪に青い目の皺の多い顔の痩せた中年女性の彼女は家に来た生きもののレスキュー活動をしているサラ=ミズタニアジア系の丸い顔で黒く波が買った髪の毛と愛嬌のある顔立ちに肉付きのいいスタイルの小柄な彼女にこの話を紹介して言った。
「うちの子達と似ているわね」
「そうね」
ミズタニも確かにと頷いた、今は二人で家のテーブルに向かい合ってミズタニが作って持って来たアップルパイを食べつつ話している。
「確かに」
「そうよね」
「うちの子達もね」
丁度部屋の中で集まって丸くなっている五匹の猫達を見て言った、一番大きな毛の長いサビ猫に白、黒、灰色、茶色の四匹の子猫達がいる。
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