皮膚病を乗り越えた犬達
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第一章
皮膚病を乗り越えた犬達
ミズーリ州の動物保護施設に所属し獣医を務めているリック=マーチンブラウンの目と短い茶色の髪に細面に眼鏡をかけた長身痩躯の若い彼は茶色で耳が垂れた中型犬、保護された彼女を見て思わず眉を顰めさせた。
「これは酷いですね」
「そうだよな」
犬を保護して施設に連れて来た職員のトム=ミッチェル大柄で太った髭が目立つ黒い短い髪と青い目の彼も言った。
「俺もこれは酷いって思ったな」
「保護されてですね」
「すぐに獣医さんのところに連れて来たんだよ」
「その子達も含めてですね」
「ああ」
白と灰色の二匹の子犬もいた、毛色は違うが外見は茶色の犬と同じである。
「バラックみたいなところにいたけどな」
「三匹共ですか」
「多分親子だな」
「茶色の娘が母親で」
「二匹共雌だけれどな」
「娘ですね、三匹共特に」
マーチンは顔を顰めさせたまま言った。
「母親がです」
「酷いな」
「皮膚病が」
見れば毛が抜けて顔も身体もボロボロになっている。
「ダニですね、これは」
「やっぱりダニか」
「ええ、すぐに治療します」
マーチンは自分から言った。
「特に母犬が酷いですが」
「やってくれるか」
「任せて下さい」
「クゥン・・・・・・」
「クゥ」
「ワン」
三匹共食べるものも少なかったのか痩せている、それで弱っていた。だがマーチンも施設のスタッフ達も彼等に食事と水を与え。
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