凍り付いた猫
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第二章
「それで凍傷で壊疽もしていて」
「切るしかないのね」
「はい、ですが」
ショーはそれでもと話した。
「何とかです」
「助かりそうなのね」
「命は」
「よかったわ」
トスはショーのその話を聞いてほっとした、猫は二日程治療を受けてようやく目を開いてそうしてだった。
前足を動かしだした、トスはその動きを見てショーに話した。
「感謝しているみたいね」
「私達が助けてくれたことに」
「そうみたいね、それでこの娘は野良猫ね」
「そうみたいです、避妊手術も受けていません」
「じゃあそうした手術をして」
トスはそうしてと話した。
「それでね」
「里親をですね」
「探しましょう」
「なら私が」
ショーはそれならと手を挙げた。
「そうします」
「そうしてくれるのね」
「この娘が元気になったら」
「その時はお願いね」
「一緒に暮らします」
ショーはトスに約束した、そしてだった。
猫は回復しワクチンが打たれ避妊手術も行われた。そして壊疽していた足も切られてそうしてであった。
元気になるとバースデーと名付けられショーの家族に迎えられたが。
「そうですか、猫はですか」
「室内飼い、家猫にすべきってね」
トスはショーの家に遊びに来た時に彼女に話した。一緒に彼女が持って来たドーナツをショーが淹れたレモンティーと共に楽しんでいる。
「インターネットでも言ってるわ」
「そうですね、それがいいですね」
ショーもそれがいいと頷いた。
「バースデーのこともありますし」
「野良猫も危ないしね」
「家族ならですね」
「事故もあるし」
「凍えることもあるので」
「だから」
それでというのだ。
「家猫にすべきよ」
「そうですね、バースデーのことを思うと」
ショーはまた頷いて言った。
「それがいいです」
「これからもそう言っていくわ」
「そして保護活動をしていかれますね」
「そうするわ」
「私も。バースデーもそれでいいわね」
「ニャア」
丁度二人の傍を歩いていたバースデーは声をかけられて二人に顔を向けた、そして賛成という様に鳴いて応えた、二人はその声を聞いて笑顔でそうしようと頷いたのだった。
凍り付いた猫 完
2025・4・23
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