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犬はすぐ起きる

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第一章

         犬はすぐ起きる
 ふわりはこの時寝ていた、夕方の散歩から帰ってご飯を食べるとそのままずっと寝ている。その彼女を見てだった。
 彼女の家族である国崎家の父親の文太は妻の百合子に言った。
「よく寝るな、ふわりは」
「よく寝ると健康だからいいでしょ」
「ああ、寝る子は育つだな」
「大きさは変わらないけれどね」
 そうした意味で育つではないがというのだ。
「元気でいられるわ」
「そうだよな」
「だからね」
 それでというのだ。
「よく寝ているならね」
「それに越したことはないな」
「そうよ」
 夫婦で寝ているふわりを見つつそんな話をした、だが。
 テレビで大きな声があがるとだ、不意に。
「ワン?」
「起きたぞ」
「今テレビで大声出したからよ」
 百合子はすぐに夫に言った。
「サッカーの試合で点が入ってね」
「それでだな」
「そうよ」
「よく寝るけれどな」
 ふわりはとだ、文太はこれまで寝ていたケージの中にあるクッションの上で頭を起こしたふわりを見つつ話した。 
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