ベリーショートヘア

「困ってないわ」
「だったらね」
「それならなの」
「髪の毛伸ばしてスカート穿いたらいいわ」
「男の人に間違えられなくなるわね」
「そうなるわ」
「それじゃあ」
　男と間違えられるのはどうも嫌だった、自分も女だと思っているので。それで妹のアドバイスを受けてだった。
　桃寧は髪の毛を伸ばしはじめスカートも穿いた、すると。
「間違えられなくなったわ」
「いいことね」
　微笑んでだ、妹は姉に自宅の中で応えた。
「やっぱり髪の毛がある程度長くて」
「スカート穿いたら」
「間違えられないわね」
「女の子の外見の特徴になるのね」
「そう、髪の毛がある程度でも長くて」
「スカートね」
「この二つでよ」　
　それでというのだ。
「性別判断するわ」
「胸を見ないと」
「お姉ちゃん胸あるけれど」
　見れば姉妹共結構な大きさである。
「けれどね」
「髪の毛と服装ね」
「その二つは大事よ」
　外見による性別の判断においてというのだ。
「人は外見じゃないって言っても」
「性別どっちかは見られるわね」
「それで男の人って見られたくないなら」
　それならというのだ。
「やっぱりね」
「髪の毛伸ばしてスカート穿く」
「そうすればいいのよ」
「そういうことね、じゃあこれからも伸ばしてスカート穿くわ」
　桃寧は笑顔で話した、そしてだった。
　以後も髪の毛を伸ばしロングヘアにまでなりスカートを穿き続けた、すると素直に美人と呼ばれたのだった。もう性別を間違えられることはなかった。


ベリーショートヘア　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２５・４・２２