世界の礎
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十四話 起きた世界でその二
「朝はな」
「しっかりとですね」
「過ごさないな」
「一日は朝にありですね」
「そうだ、ではトレーニングルームに行って来る」
こう言ってだった。
義青は妻の早百合と別れジャージに着替えてそのうえでトレーニングルームに入って汗をかいた。それからだった。
シャワーを浴びてすっきりして朝食の場に向かうと二人の男の子と一人の女の子がいて挨拶をしてきた。
「お父さんおはよう」
「おはよう」
「おはよう」
「おはよう、体調はどうだ」
義青は長男の義赤、次男の義黄、長女の春奈に尋ねた。息子達は小五と小四で父親似だ。娘は小一で顔は母親そっくりだが髪の毛は父親のものだった。
「三人共。どうだ」
「元気だよ」
「風邪ひいてないよ」
「しんどくないわ」
「ならいい、では今から食べよう」
父として微笑んで応えた。
「朝ご飯をな」
「今日はトーストだね」
義赤は自分の席で前にあるそれを見て言った。
「じゃあバター塗るね」
「僕はマーガリンにするよ」
義黄はこちらだった。
「今日はね」
「私はジャムにするわ」
春奈は苺ジャムを出していた。
「これが好きだから」
「それぞれが好きなものを食べればいい」
義青は微笑んで述べた。
「法律で決まっていないからな」
「法律は守る」
「絶対に」
「そうしないと駄目だね」
「そうだ、法律は守らないとな」
さもないと、というのだ。
「何もかもがおかしくなるからな」
「うん、わかってるよ」
「お父さんの言うことだからね」
「私達も守るわ」
「お父さんの言葉が信じられないとな」
義青はその時はと言った。
「法律や常識を見ればいい」
「お父さんも間違えるんだ」
「そうなんだ」
「お父さんでもなの」
「皆間違える時がある」
義青は否定しなかった。
「人間だからな」
「そうなんだ」
「お父さんでもなんだ」
「間違えるの」
「その時は法律やそういったものを見るんだ」
こう言うのだった、そのうえで家族で朝食を摂ってだった。
子供達の登校を見届けてから洋館の前に来た車の前に赴いた、その時はスーツ姿で妻に対して言った。
「今日もいつも通りだ」
「総帥様のお傍におられ」
「そうしてだ」
そのうえでというのだ。
「働いてくる」
「グループ全体のことをですね」
「私も見る」
「そうされますね」
「それで六時までには帰る」
帰宅時間の話もした。
ページ上へ戻る