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上司の仕事

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第二章

「健全な会社はしない」
「うちもな」
「だから残業もな」
「そうはさせられないな」
「難しいな」
 二人でだった、コーヒーを飲みつつ話していってだ。
 橋本はあらためてだ、高田に話した。
「どうしたものか」
「そこをどうにかするのが管理職だがな」
「そうだ、ない知恵絞るか」
「知恵か」
「ない、な。ちょっと考える」
 こう言ってだった。
 橋本は一日考えそうしながら工場全体を見た、すると仕事がかなり順調な部署がありそれにだった。
 その部署に以前彼の部署で働いている社員がいた、それで工場長に直談判してだ。
「その彼に臨時に来てもらってだ」
「働いてもらうか」
「助っ人だ」
 その立場でというのだ。
「やってもらっている」
「そうか」
「山下君だ」
「ああ、彼は出来るな」
「その彼に来てもらって」
「働いてもらっていてか」
「遅れを取り戻せている」
 そうだというのだ。
「今はな」
「それは何よりだな」
「仕事の流れにスタッフのことを見て」
「会社全体のこともな」
「そしてやっていく」
「スタッフにも負担がかかならい様に」
「そうしていくのがわし等の仕事だからな」
 高田に工場の食堂で一緒に食べながら話した、食べているのは二人共牛丼に味噌汁だ。チェーン店のそれの様な安定した美味さがある牛丼だ。
「難しいな」
「ああ、何かとな」
 高田も確かにと頷いた。
「難しいな」
「全くだ、しかしな」 
 それでもというのだ。
「そうした仕事だとな」
「わかってやるものだ」
「そうだ、だからこれからもな」
「頑張っていくか」
「責任をな」
 管理職、上司としてのそれをとだ。こうした話をしながら昼食を摂ってだった。
 昼休みの後橋本は自分の仕事に戻った、それは高田も同じで管理職としての仕事に励んだ。その中で流す汗は確かなものだった。


上司の仕事   完


                    2025・4・20 
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