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荒らしは削除

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第二章

「そして」
「そのうえでだね」
「間違っていなかった」
「そうしたジャッジだったね」
「絶対の自信を持って言えるよ」
 そうだとだ、赤ワインをナッツと共に口にしつつ話した。
「そのことが」
「聞いたが君のサイトが荒らされているな」
「掲示板がね、インスタもだよ」
 フリーマスはダーリオに話した。
「凄いことになっているよ」
「荒らされているんだね」
「現在進行形でね」
 スマートフォンを出して自分のインスタグラムを確認しつつ話した。
「荒らされているよ」
「ああ、これは凄い」 
 ダーリオもその荒れ様を見て言った、彼が飲んでいるのは白ワインでカルパッチョを食べながら楽しんでいる。
「滅茶苦茶罵倒されているな」
「言葉も汚いが数もね」
「凄まじいね」
「それだけ彼等にとって嫌なジャッジだったということか」
「スポーツには付きものだね」
「それならこうして」
 フリーマスは冷静にそうした書き込みを消しつつ言った。
「対処するよ」
「おかしな書き込みは削除する」
「普通の利用者の人達にとっては迷惑だからね」
「それでだね」
「消していくよ、こちらのリーグにも話して」
「消していくね」
「そうするよ」  
 こう言って少し消してまた飲んだ、それからはダーリオと共に飲むことを再開した。
 そしえ大会が終わるとだ、ダーリオはフリーマンに尋ねた。二人共それぞれの国に戻る為に空港にいる。
「サイトやインスタグラムはどうなったんだい?」
「相手国から書き込めない様にしたよ」
 微笑んでだ、フリーマスは答えた。二人共バーでもそうであったが試合ではないので紳士的なスーツ姿だ。
「それで無事にだよ」
「一件落着だね」
「そうした書き込みには黙ってだよ」
 そのうえでというのだ。
「削除して書き込めない様にする」
「冷静にだね」
「そう、冷静に行えばいいんだ」
「怒らずに」
「それでね、ではこれから祖国に戻って」
「審判をするんだね」
「君もだな」
 ダーリオに微笑んで尋ねた。
「そうするね」
「勿論だよ、ではお互いまた頑張ろう」
「審判の誇りを以てね」
「公平にやっていこう」
「そうしていこう」
 再会を誓う握手をして別れた、そしてだった。
 フリーマスは祖国に戻るとそちらのリーグでの仕事に専念した、その審判は公平で的確だと評価された。まさに名審判であると。


荒らしは削除   完


                  2025・4・20 
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