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金木犀の許嫁

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第六十一話 相手が来てその四

「私は幸雄さんと一緒にね」
「行くの?」
「そうした方がよくない?」
 妹に言った。
「考えてみたら」
「やがて夫婦になるから」
「だからね」 
 それでというのだ。
「ここはね」
「いえ、今はです」
 だが豊が言った。
「いいと思います」
「そうなの?」
「若しそうすべきなら」
 それならというのだ。
「真田さんがです」
「幸雄さんが」
「一緒に来て欲しいと」
 その様にというのだ。
「言われています」
「それがないから」
「はい」
 だからだというのだ。
「特にです」
「そうなのね」
「今はです」
「私は皆となのね」
「お城に行かれてもです」
 そうしてもというのだ。
「いいと思います」
「それじゃあ」
「何ならね」
 夜空も言って来た。
「幸雄さんに連絡をしてね」
「一緒に行くべきかどうかなのね」
「聞けばいいでしょ」
「そうね」 
 真昼は夜空のその言葉に頷いた。
「それじゃあね」
「今からね」
「聞いてみるわね」
「そうしてね」
「そうするわ」
 こう言ってだった。
 真昼は実際にスマートフォンで幸雄に連絡を取った、そのうえで彼に一緒に行っていいかと尋ねると。
「そうですね、今日はです」
「いいですか」
「実はです」 
 こう真昼に言うのだった。
「今回はお酒を飲みますので」
「お酒ですか」
「そうしたお付き合いで」
「私は未成年なので」
「しかも八条町でないので」
 条例で十五歳から飲める場所ではないというのだ。
「ですから」
「今日はですね」
「真昼さんはです」
「いない方がいいですね」
「はい、伊賀の方でお酒が好きな方で」 
 それでというのだ。
「居酒屋に行きまして」
「そこで、ですか」
「お話をすることになっていますので」
「私はですね」
「こちらではおおっぴらにはです」
「飲めないので」
「ですから」
 幸雄はさらに話した。
「またです」
「それじゃあ今日は」
「明日からです」
「私もですね」
「お酒が出ないところで」
 そこでというのだ。 
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