ぼったくりの店
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二章
「ただ悪い店っていうだけでな」
「ぼったくりは違うのかよ」
「例えばウイスキー一杯飲んでな」
そうしてというのだ。
「つまみにナッツちょっと頼むだろ」
「それでか」
「何万円とかがな」
それだけの支払いがというのだ。
「来るんだ、それで文句言ったらな」
「ヤクザ屋さん出て来るんだな」
「本物はそうだ」
ぼったくりのそれはというのだ。
「本当に昔はあったんだ」
「だから犯罪だろ」
隼人はここでもこう言った。
「それはな」
「だからそうした犯罪がな」
「普通はまかり通ってたんだな」
「要はそうした店には入らない」
「最初からか」
「そうすることだったんだ」
「じゃあその店はか」
曾孫は曽祖父に自分が話した店のことを話した。
「本物のぼったくりじゃないか」
「ああ、まあそんなものなくていいけれどな」
行人は曾孫に笑って話した。
「ぼったくりなんて」
「全然な、それでその店もな」
「なくていいか」
「少ないまずい高いなんてな」
そうした店はというのだ。
「本当にな」
「それはそうだ」
曽祖父も否定しなかった。
「やっぱりな」
「そうだよな」
「まあそんな店は潰れる、昔のぼったくりの店だってな」
「潰れたんだな」
「評判は広まるからな」
そうなるからだというのだ。
「すぐに誰も入らなくなってな」
「潰れたんだな」
「ヤクザ屋さんでもレベルの低い奴等がやることだった」
「それでか」
「ああ、そうなっていた」
「ぼったくりはそんなものだったんだな」
「結局はな」
そんな話をした、そしてだった。
後日隼人は行人にその店が潰れたと話した、行人はその話を聞いてそうならない筈がないと言った。
ぼったくりの店 完
2025・4・18
ページ上へ戻る