顔が怖いだけ
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第一章
顔が怖いだけ
鬼の様な顔である、高校生の武藤隆雄はよくそう言われている。大柄な筋肉質の身体でプロレスラー並の怪力と体操選手並の身体能力なので尚更だった。
だがその彼の学校での生活はというと。
「今日も頑張ってるな」
「うん、皆と一緒にいるとね」
クラスメイトで友人の田所意知百七十位の背で痩せていて黒髪を右で分けた穏やかな顔立ちの彼に話した。
「それだけで嬉しいから」
「生物部で飼っている生きものの世話をするんだ」
「部活に毎日顔を出してね」
「アメフトもやってか」
武藤はアメリカンフットボール部にも所属しているのだ、尚レギュラーである。
「そのうえで」
「絶対にね」
それこそというのだ。
「生物部にもだよ」
「毎日顔を出してな」
「皆と一緒にいるよ」
「餌をやってな」
「子供の頃から生きものが好きで」
微笑んでだ、武藤は田所に話した。
「それでね」
「お花も好きだな」
「そうなんだ」
「自然が好きなんだな」
「大好きだよ」
「それで色々な」
今度は田所から言った、今二人で生物部で掃除をしたり生きもの達に餌をやりつつそのうえで話していた。
「ボランティアもしているな」
「出来るだけね」
「そうだよな」
「困っている人は助ける」
「そうしないと駄目だってだな」
「子供の頃から言われてるし」
「親御さん達にな」
こう武藤に返した。
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