八条学園騒動記
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第七百九十五話 和歌その六
「出すなんてね」
「雅で」
「日本しかしなくて出来ない」
「そんなものですか」
「あの偉そうなエウロパだってね」
部長も連合の者なのでエウロパは嫌いでこう言った。
「文化国家とか言うけれど」
「文明人とか」
「そうだけれどね」
それでもというのだ。
「そうしたことはね」
「していないですね」
「そうでしょ、詩集出すなんてね」
「あっちの中央政府も各国政府もしていないですね」
「特にそうしたことを言いたがるフランスも」
この国もというのだ。
「していないしね」
「そうですね」
「もうね」
「日本の方が凄いですか」
「エウロパよりもね」
「あそこが幾ら偉そうにしていても」
七美はそれでもと述べた。
「そんなことしないから」
「勝っていますか」
「あのチンケなルーブル美術館でね」
連合ではこうした認識であるのだ。
「満足しているのよ」
「あの小さいですね」
「連合だとあれより遥かに上の美術館なんてね」
「幾らでもありますね」
「そうよ、あんなものよりもね」
そのルーブル美術館よりもというのだ。
「日本は凄い美術館幾つもあるでしょ」
「あんな小さくてちっぽけな美術館なんて目じゃないです」
七美自身も笑って答えた。
「もう」
「そうよね」
「はい、博物館も」
こちらもというのだ。
「大英博物館なんて」
「そっちはイギリスだけれどね」
「何でもないです」
「それこそね」
「そんな博物館幾らでもあります」
七美はきっぱりと言い切った。
「日本には」
「連合全体で見るともっとだしね」
「そうですよね」
「図書館もそうでね」
「色々なものがですね」
「大体フランスもイギリスも人口少ないしね」
部長は人口の話もした。
「それもかなりね」
「そうですよね」
「エウロパ全体で千億でね」
「日本は六百億です」
「連合全体で四兆よ」
「そうしたものの規模も人口が関係しますね」
七美はその現実を話した。
「そうですね」
「そう、国力もね」
「どっちも人口五十億位でしょうか」
「そんなものよ」
「大国の人口じゃないですね」
七美は連合の基準から話した。
「それ位だと」
「そうよね」
「それで日本の国力はエウロパの何倍もあるんで」
「十倍はあるでしょ」
「普通に」
「そこまで豊かでね」
そうであってというのだ。
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