世界の礎
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第十三話 アフリカ掌握その四
「人の偏見を煽りだ」
「そこに付け込んで利を得る」
「そうした輩も出て来る」
「特にですね」
ササは述べた。
「選挙で選ばれた場合は」
「そうだ、当選してだ」
「私利私欲を貪る為に」
「偏見に付け込みな」
そうしてというのだ。
「対立を煽りな」
「票を集め」
「そしてだ」
そのうえでというのだ、義青は彼が起きた世界で観て来たものをこの世界で思い出しつつ話していった。
「当選してな」
「私利私欲を貪るのですね」
「そうする、当然偏見に基づきだ」
「国を分ける様にもしますね」
「私利私欲の為にな」
「国の害ですね」
その話を聞いてだ、カニは言った。
「まさに」
「その害に付け込まれない為にもだ」
「先にですね」
「偏見自体を出来るだけだ」
「なくしますか」
「そうするのだ、完全にはなくならない」
偏見はというのだ。
「人にはどうしてもな」
「その感情がありますね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「偏見はなくならず差別もだ」
「なくならないですね」
「いっそのことだ」
ここで義青はこうも言った。
「差別を認めてだ」
「そうしてですか」
「お互いに循環する様にだ」
「差別がですか」
「例えば人間がエルフを差別すれば」
義青は例えを出して話した。
「エルフはドワーフを、ドワーフは人間をだ」
「差別する」
「そうして循環する様にすればな」
「問題は少なくなる」
「そうなる様にだ」
「循環させるのですね」
「そのやり方もあるとな」
その様にというのだ。
「考えられるがな」
「そうしたやり方もありますか」
「しかしだ」
声を強くさせて語った。
「私はだ」
「そうしたことはされないですね」
「絶対にな」
こう言うのだった。
「それは間違いだとだ」
「確かにされますね」
「人の違いなぞだ」
種族のそれはというのだ。
「学べばだ」
「大した違いではない」
「個人の努力でどうにもなるな」
「そうしたものなので」
「差別は間違っている、地域や宗教でもな」
「違いはないですね」
「そうだからな」
それ故にというのだ。
「私はだ」
「偏見や差別を否定されますね」
「そうする、起きた世界では白人至上主義がある」
今も尚というのだ。
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