ハッピークローバー
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第百六十五話 二日目の夜その三
「二人でね」
「完全に夫婦ね、夫婦で飲むと」
そうすると、というのだ。
「やっぱりね」
「おばさんになるの」
「これで豹柄の服着たら」
「ああ、完全におばさんね」
「それも大阪のね」
「それは持ってないから」
豹柄の服はとだ、かな恵は留奈に笑って返した。
「仕草がおばさんでもね」
「それはいいのね」
「いや、私おばさん好きだし」
「好きなの」
「人生の経験を積んでね」
そうしてというのだ。
「そのうえなるものだから」
「いいのね」
「大体大阪の女の子っておばさんって言われるわね」
「そうね、飴持ってたりね」
「最近持ってるけれど」
「余計におばさんじゃない」
留奈はかな恵のその言葉を聞いて笑って返した。
「飴持ってるなんて」
「ノンカロリーでね」
「ダイエットにも気を使ってるのね」
「それでお口が寂しいとね」
その時はというのだ。
「電車の中とかで舐めてるの」
「鳴海っちにもあげるわね」
「飴舐める?って言ってね」
「尚更おばさんね、このままいったら」
留奈はビールを飲みながら話した。
「かな恵成長したら立派なおばさんになるわ」
「歳取ったら」
「ええ、それでそれがいいのね」
「明男に言われてもね」
弟である彼にというのだ。
「それでもね」
「いいのね」
「全然。皆何時かは絶対におばさんになるしね」
「歳取ったらね」
「だから今おばさんでもね」
それでもというのだ。
「いいわ」
「それじゃあね」
「そう、そして」
それにというのだ。
「大阪のおばさんはパーマよね」
「茶色に染めたりしてね」
「私豹柄とそれはね」
「しないのね」
「今のままでいいわ」
髪形はというのだ。
「別にね」
「そこはおばさんじゃないわね」
「そうね、あと煙草も興味ないし」
「煙草ね」
「そう、煙草もね」
こちらもというのだ。
「興味ないから」
「大人になっても吸わないのね」
「身体に悪いしね」
焼きそばを食べながら話した。
「将来もね」
「吸わないわね」
「煙草って何がいいのかしらね」
一華は首を傾げさせて言った。
「身体に悪いのに」
「それもかなりね」
「それなのにどうして吸うのかしらね」
「私もわからないわ」
かな恵も疑問という顔と声で応えた。
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