世界の礎
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第十二話 生贄ではなくその七
「どうしても偏る、だからだ」
「新聞は必要ですか」
「出版社もな、多くの情報を集めてな」
「そこから戦略も練るのですね」
「国のな、国だけではだ」
「得られる情報も限度がありますね」
「そして偏りもするからな」
だからだというのだ。
「それでだ」
「その為にですね」
「新聞社それに出版社も育てる」
「これからは」
「そして民の識字率も順調に上がっているしな」
義務教育の結果であることは言うまでもない。
「そこからもだ」
「政を行われますか」
「そうする、まずは新聞社と出版社を設けさせていく」
今度はというのだ。
「そしてじょぷ法の収集と拡散にだ」
「彼等の腐敗の防止もですね」
「行わせな」
そうしてというのだ。
「ことを進める、いいな」
「わかりました」
こう話してだった。
義青はそうした政策も行っていった、南米もオセアニアもその様にして治めていき開拓も開発も推し進めてだ。
豊かにした、そして。
新聞社と出版社が増えて軌道に乗ってきたところでだ、こう言った。
「議会を開く」
「議会ですか」
「そうだ」
義青はカニに答えた。
「今度はな」
「ギリシャのポリスにある」
「あの様なな」
「選挙を行い」
「それをそれぞれの街や村、州や国にもうけ」
そうしてというのだ。
「選挙を行わせる」
「そうするのですか」
「そして政治を行わせる」
「ポリスの様に」
「これまで市長や町長、村長は任命だったが」
このことも話した。
「これからは選挙でだ」
「選ばれる様にしますか」
「そうだ、そしてだ」
そのうえでというのだ。
「それぞれの州の知事もだ」
「選挙で選ばれる様にしますか」
「議会の議員達もな、大人ならばだ」
その年齢に達した者ならというのだ。
「男女共誰でもだ」
「選挙で投票出来ますか」
「そうする」
その様に定めるというのだ。
「これからはな」
「そうされるのですね」
「民達も政に参加させるのだ」
投票の形でというのだ。
「そして国全体の為の議会もな」
「もうけて」
「選挙を行う、いいな」
「わかりました」
カニはそれではと応えた。
「議会と選挙もですね」
「導入する、全国に施行する」
帝国のとだ、義青は話した。
こうして議会と選挙も導入された、そうして民も政に参加していった。帝国はここで国の形を大きく変えた。
それでだ、義青は言った。
「これからはこの形の国にしていくが」
「あの、選挙で選ばれた議員ですが」
どうかという顔でだ、帝国の主な立法を担う帝国議会上下あるうちの下院の議長となったリチャード蛙人の老人の彼が言ってきた。
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