金木犀の許嫁
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第五十九話 母方の祖母その二
「まだあったの」
「滅んだと思いますよね」
「ええ」
白華にその通りだと答えた。
「違ったの」
「それが実はずっと残っていまして」
「今も存在しているのね」
「そうなのです」
「それは知らなかったわ」
「俗に風魔小太郎さんは盗賊に身を落として処刑されたと言われていますが」
江戸時代初期の江戸で暴れ回っていたという、そしてその結果捕まり獄門になったと歴史では語られている。
「その実はです」
「違っていて」
「ずっと生きておられて表向きは鳶職や火消し等で暮らしておられて」
「裏は忍者としてなの」
「生きていました」
「風魔小太郎さんはそうだったのね」
「それで風魔の人達も」
彼等もというのだ。
「左様でした」
「そうだったのね」
「はい、そして」
それでというのだ。
「その風魔ともです」
「今は親戚同士なのね」
「結婚している人もおられて」
「猿飛家もそうなの」
「猿飛家は風魔とは親戚付き合いはないですが」
それでもというのだ。
「十勇士のお家の中であります」
「十勇士のお家はそれぞれ親戚同士だし」
「風魔さんとも親戚同士になります」
「忍者のお家同士そうなのね」
「そうです、そして私はです」
白華はここでまた自分のことを話した。
「お見合いをさせてもらいます」
「伊賀の方で」
「伊賀上野です」
「まさに忍者の里ね」
「お城もありまして」
「伊賀上野城ね」
「はい」
そうだというのだ。
「あのお城です」
「有名なお城よね」
「そうですね」
白華もそうだと答えた。
「その伊賀にありますので」
「それでね」
「有名ですね」
「伊賀ってね」
この地はというのだ。
「やっぱり忍者でね」
「有名ですね」
「甲賀もそうだけれどね」
「実は傍にあるんですよね」
「伊賀と甲賀ってね」
「どちらも幕府に仕えていて」
そうであってというのだ、伊賀組は二百人で甲賀組は百人であったとしっかりと歴史に書き残されている。
「それで、です」
「有名よね」
「実際仲悪かったか知りませんが」
「あれ漫画から?」
夜空は考える顔で述べた。
「伊賀と甲賀が仲悪いのって」
「ハットリ君ですね」
「あの漫画からかしら」
「実は別に」
白華は夜空に話した。
「仲悪いと聞いていません」
「そうなのね」
「元々一緒でしたし」
伊賀と甲賀はというのだ。
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