金木犀の許嫁
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第五十八話 真昼のお見合いその九
「いいのよ」
「そういうものね」
「そう、ヤクザ屋さんの言いがかりも」
これもというのだ。
「何とでも言うでしょ」
「絡んで文句言ってお金取るのが目的だから」
「だからね」
それでというのだ。
「何とでも言うわね」
「そう、そして何でも反対もね」
「言えるわね」
「そうよ、楽なのよ」
「駄目出しだの否定だのは」
「それで錯覚してるのなら」
「自分が偉いって」
夜空はこう返した。
「間違いとか指摘出来る自分は」
「文句言うと相手より上に立ってると思えるしね」
「マウント取るってことね」
「それが出来てるって思って」
「けれど実は違うのね」
「そうよ、実はね」
これがというのだ、真昼は夜空に対して真剣な顔で話した。穏やかな表情であるが真剣さが存在していた。
「偉くも何もないのよ」
「実は」
「そうであってね」
それでというのだ。
「それで得意になってるなら」
「それで終わりね」
「そこで成長しなくて」
「そのままね」
「批判精神って言っても」
それでもというのだ。
「大事なのはね」
「努力することね」
「自分がね」
「それが大事ね」
「そう、そしてね」
それでというのだ。
「私達はそんな人は相手にしなくて」
「ちゃんとした人の意見を聞いて」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「努力していくことよ」
「それが大事ね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「私達もね」
「わかったわ」
夜空はそれならと頷いた。
「そうしていくわ」
「お願いね」
「いや、何かね」
夜空は姉の言葉に頷いてから述べた。
「今日も色々勉強になったわ」
「今日もなの」
「ええ」
そうだとだ、姉に話した。
「本当にね」
「そう言ったら」
真昼は妹のその言葉を受けて言った。
「いつもね」
「勉強になってるっていうのね」
「そう聞こえるけれど」
「そうよ」
その通りだというのだ。
「そう思ってるわ」
「そうなのね」
「毎日ね」
それこそというのだ。
「いい勉強になってるわ」
「いい考えね、私もね」
真昼もその話を聞いて言った。
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