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ハッピークローバー

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第百六十三話 魔法その十一

「そのラ=ヴォワザンも捕まって」
「火炙りになったのよね」
「それで捜査が終わって」
「事件も収束したら」
「王様捜査資料全部焼き捨てさせて」
「細かいことわかっていないのよね」
「そうなんだ、焼き捨てさせたから」 
 留奈に真顔で話した。
「詳しいことはね」
「そうよね」
「けれどそうさせたってことは」
 国王自らの命令によってだ。
「それだけだよ」
「とんでもない事件だったってことだし」
「こうした事件もあったんだよ」
「悪い魔女もいて」
「そうだよ、ただね」
「ただ?」
「悪い魔女がいても」
 それでもとだ、伊東は留奈に話した。
「いい魔女だってね」
「いるしね」
「むしろね」
「いい魔女の方がずっと多いわよね」
「そうだよ、箒に乗ってね」
「お空を飛んで」
「楽しい魔法を使う」
 そうしたというのだ。
「面白い人達だよ」
「殆どの魔女の人達はね」
「それで若し日本にいても」
「江戸時代でもね」
「切支丹でもないと」 
 それこそというのだ。
「人に迷惑をかけないとね」
「幕府も何もしないわね」
「踏み絵を踏んだら」
 切支丹かどうかを確かめるそれをだ。
「それでね」
「終わりね」
「そうなるよ」
「その方がずっといいわよね」
「魔女狩りより遥かにね」
「その頃の日本はいい国ね」
「魔女狩りがないってことはね」
 このことはというのだ。
「異端審問もないし」
「そうなるわね」
「魔女がいて何が悪いか」 
 伊東は考える顔で言った。
「むしろ世のため人の為になるなら」
「いて欲しいわね」
「そうだよね」
「そうよね、鼻が曲がってローブと三角帽子のお婆さんでね」
「箒に乗って飛んでね」
「困っている人達を助けてくれるなんて」
 そうした魔女はというと。
「素敵な人達よ」
「僕達からしたら」
「そうよね」
「助けてくれるならね」
「何もね」
 それこそというのだ。
「火炙りにする様な」
「悪い人達じゃないわね」
「白魔術と黒魔術があって」
「使い方でね」
 それでというのだ。
「変わるから」
「白魔術がいい魔術で」
「黒魔術が悪い魔術だよ」
「そうされているわね」
「けれど黒魔術も」
 その悪い魔術もというのだ。 
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