ファントムポリス
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第三章
「ですから」
「いいのですか」
「どうぞ、悪いこともされていないですし」
「むしろ有り難いですね」
本多は四日市に言った。その顔には確かなものが存在していた。
「市民の為に働いてくれているので」
「はい、ですから」
「それではですね」
「是非です」
まさにというのだった。
「これからもです」
「この交番で働いて欲しいですね」
「そうしてもらいたいです」
「有り難いです、では」
それではとだ、福岡は笑顔で応えた。
「これからも奉職させて頂きます」
「市民の人達の為に頑張って下さい」
「そうさせて頂きます」
こう話してだった。
謎は解明され福岡はこれからも交番で勤務することになった、そして四日市はその後福岡のことを調べると。
「実際にです」
「あの人はこの署に在籍していましたか」
「はい」
本多に署長室で話した。
「そうでした」
「そうだったのですね」
「そして摂津市には」
彼が暮らしていたというその街では。
「ご子息のご家族がです」
「おられました」
「嘘ではありませんでした」
本多が言ったことはというのだ。
「全て」
「そうだったのですね」
「そうでした、しかし」
こうもだ、四日市は言った。
「幽霊は実在しますね」
「そうですね、それでですね」
「福岡さんの様に働いてくれていたりしますね」
「幽霊になろうとも」
「そうなっていますね」
「そうですね、世の中はこんなこともありますね」
「そのことがわかりました」
本多に微笑んで言った、そして警官として働いていってだった。
後に警視庁が心霊対策課というものが出来るとそのトップになった、常に幽霊は存在していると言って。
ファントムポリス 完
2024・11・12
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